【フラり対談】株式会社ディーゼロ

このコーナーでは、「トップランナー」であり「変革者」であり「インフルエンサー」でもあるゲストの方々と、目指すことや苦労話などを気負わないトークで展開しています。今回のゲストは、福岡県でウェブサイト制作の事業を長きにわたり展開しているディーゼロの取締役、谷口 晋也氏です。同氏とリードプラス 執行役員の小田切 敬が、ウェブ業界の現状や未来について意見を交わします。

【フラり対談】株式会社ディーゼロ

AIとパートナーとの共創・共想により
福岡であらゆる地域のウェブサイトを変革する

株式会社ディーゼロ

株式会社ディーゼロ

ウェブサイト制作やアプリ開発の業界(以下、ウェブ業界)は、近年におけるデジタル化の進展とともに急速に変化し、また競争も激化しています。そんな中で、地域企業はどのように成長を続け、クライアントのニーズに応えているのでしょうか。今回その疑問への答えを求めて当社のパートナー企業であるディーゼロを訪ねました。2000年に福岡県で設立された同社は、同地で長きにわたってウェブサイト制作やアプリ開発の事業を展開し、成長・発展を続けています。リードプラス執行役員の小田切 敬が、ディーゼロ取締役の谷口 晋也氏に、ビジョンや戦略について詳しくお聞きします。

谷口 晋也氏


株式会社ディーゼロ
取締役
谷口 晋也氏


小田切 敬


リードプラス株式会社
執行役員
小田切 敬

ウェブ業界の厳しい競争を品質で勝ち抜く

リードプラス執行役員 小田切 敬(以下、小田切):このたびは対談にお付き合いいただきありがとうございます。また、オフィスにお邪魔させていただいて恐縮です。

ディーゼロ取締役 谷口 晋也氏(以下、谷口氏):こちらこそ、福岡までお越しいただきありがとうございます。

小田切:早速なのですが、まずは御社についてご紹介いただけますでしょうか。

谷口氏:当社はウェブサイトの制作(以下、「ウェブ制作」と略す)を手がける会社です。この福岡で2000年に設立し、以来、福岡に本拠、東京にもオフィスを構え、全国でビジネスを展開しています。

小田切:なるほど、2025年で設立から四半世紀が経つわけですね。福岡のウェブ制作会社としては老舗的な存在ではないですか。

谷口氏:そうですね。福岡、あるいは九州の中で、ウェブ制作一筋で生き残っている稀有な存在といえるでしょう。

小田切:ウェブ制作会社が減っている理由は何なのでしょうか。デジタル化が進展する中でウェブ制作の市場自体は拡大しているように見えるのですが。

谷口氏:確かに市場は拡大しています。ただ一方で、ウェブ業界は競争が激しく、勝ち残るのはなかなか大変です。また、事業会社のデジタルや制作部門の拡大に伴って吸収されるなど、ビジネスの変化も理由の一つとしえ考えられます。

小田切 : その激しい競争の中で、御社はどのようにして成長を維持してきたのでしょうか。成長の背景にある戦略や差異化のポイントについて教えていただけますでしょうか。

谷口氏 : 成長の要因は、何よりも制作物の品質を重視してきたことです。我々は常に、制作するウェブサイトの品質を最優先で考えます。その姿勢が、お客様によるリピートオーダーや他のお客様へのご紹介になり、当社の成長につながってきました。加えて、当社はお客様との間で信頼関係を築くことをとても大切にしていて、制作プロジェクトが終了したのちもフォローアップを欠かさず行っています。そうした対応も、お客様から高く評価されています。

成長し続ける文化を醸成

小田切:先ほど伺った御社の強みの背景には、しっかりとした経営理念があると考えます。その理念について詳しくお聞かせください。また、その理念が日々の業務にどのように反映されているのでしょうか。

谷口氏:当社では「more+(もっと)」を追求していくことを価値観(コーポレートバリュー)として掲げています。お客様や自分たちにとって、「more+(もっと)」できることはないか?と考え成長を続けるという姿勢を、お客様にも感じていただけるよう努めています。

小田切:社員の「more+(もっと)」を後押しするために、会社として具体的にどんな活動を展開されているのでしょか。

谷口氏:具体的な活動としては、社内では大小さまざまな規模の勉強会やワークショップを催し、最新の技術やトレンドについて学ぶ機会を提供しています。そういった内容を、お客様への新しい提案や、普段の運用支援に役立てています。

小田切:御社ではパートナーとの「共創」「共想」をミッションとして掲げてもいらっしゃいます。それに関連してお聞きしたいのですが、福岡では企業同士のつながりは強いのでしょうか。

谷口氏 : これは福岡特有のビジネス文化だと思いますが、企業同士の横のつながりはかなり強いですね。また、福岡(市街)は狭く、企業同士の物理的な距離も近いので、信頼関係が築きやすいともいえます。そうした地の利を最大限に生かすべく、パートナーとの共創・共想をミッションとして掲げているわけです。そして実際にも、当社では他の企業と連携し、共同でプロジェクトを進めることが多くあります。その中で、御社のようなエージェンシーと強い関係を築いてきたことも、我々が成長を続けてこられた要因の1つになっています。

リモートワークとAIが加速するウェブ業界のさらなる発展

小田切:ここ数年来、ウェブ制作に対する企業のニーズが大きく変化しているように感じています。例えば、以前は売上に直接つながるような施策の展開が求められていましたが、最近では認知度の向上やエンゲージメント重視の傾向が強まっています。御社では、こうしたニーズの変化にどのように対応されていますか。

谷口氏 : 確かに、ウェブサイトに対するお客様の目的はウェブサイトの開設、ないしはリニューアルによって売上アップにつなげようとするお客様が多かったのですが、少しずつ、まずブランドや商品の認知度を上げ、そこからセールスリードを取ろうとする流れが強くなっています。この変化は、企業と市場(顧客)とを結ぶインフラとして、ウェブサイトがこれまで以上に重要な役割を担っていて、それらの情報の発信力を一層強める必要が出てきたことを意味します。故に、当社としても、そのニーズを満たせるような、より戦略的なソリューション提案をしていかなければならないと考えています。

リモートワークとAIが加速するウェブ業界のさらなる発展

小田切:変化という意味では、新型コロナウイルス感染症の流行を境にリモートワークが一挙に広まりました。御社ではこの変化にどのように対応されていますか。リモートワークの導入によって、社内の業務やチームに何か影響などありましたでしょうか。

谷口氏 : リモートワークとオンラインコミュニケーションの一般化と発展は、当社にとって大いにプラスでした。というのも、この変化によって、全国各地のパートナーやお客様との協業、やり取りがスムーズになったからです。当社では、パートナーと協業することをクライアントにお伝えしており、各プロジェクトでパートナー企業と伴走することでより課題解決が提供できると考えています。また、リモートワークの採用によって社員たちの働き方も柔軟になり、より良いワークライフバランスも生まれています。まとめれば、リモートワークの一般化は、当社のような地域のウェブ制作会社のビジネスをより良い方向に変えつつあるということです。

小田切:もう1つ重要な変化として、AIテクノロジーの目覚ましい進化・発展があります。御社では、このAIとどのように向き合っていらっしゃるのでしょうか。

谷口氏:AIには、ウェブ制作の生産性を劇的に高める可能性があります。当社もすでにAIの活用を始めており、ウェブサイトの企画・制作にAIを取り入れて、提案の質の向上や、制作における効率化に役立てています。さらに最近では、AIを使ってウェブ制作の一部を自動化する取り組みも始めています。そうしたAIによる効率化、自動化によって提案の幅や、品質の向上がさらに高まると期待しています。

勝ち残るための選択と集中

小田切:テクノロジーの発展を背景にしながら、ウェブ業界は常に進化し、変化もしています。その中で御社は今後、どのような分野に注力していくお考えですか。

谷口氏 : これからは選択と集中がより重要になると考えています。例えば、ウェブサイトの機能は多様化していますが、その中で大切なことは、ユーザー体験を良質化することですので、UI/UXのさらなる向上の必要があります。また、誰もがスマートフォンを介してネットワークにつながろうとする今日では、スマフォファーストのアプローチも求められます。

小田切:先ほど言及されたお客様との良好な関係の構築・維持も重要であると思いますが、その点に関して、今後、どのようなアプローチを取っていくお考えですか。お客様との長期的な関係を築くために心がけていることがあれば教えていただけますか。

谷口氏:おっしゃるとおり、クライアントとの良好な関係、あるいは長期的な関係を築くことは、当社の成長に不可欠な要素です。最近では、デジタル戦略を前に進める「伴走者」としての役割を求められることが増えてきました。このニーズに応えるには、市場の変化やテクノロジーのトレンド、そして何よりも、お客様のビジネスに対する、より深い理解が必要です。そのため当社では、定期的にお客様とコミュニケーションを取り、ニーズの変化を捉えながら積極的なご提案することに努めています。

小田切:それは素晴らしいことですね。そうした姿勢は、競争と変化の激しいウェブ業界で勝ち抜いていくためのカギといえそうです。では最後に、御社の今後の目標について確認させてください。

谷口氏:大きな目標の1つは、お客様のニーズを把握し、それに合致したサービスのパッケージを提案する件数を増やしていくことです。そうしたパッケージの提案を通じて、お客様により大きな価値を提供していく考えです。例えば、ニーズが高まっている企業の採用サイトの構築・運用がありますが、サイトを公開しただけでは人は来ないかと思います。そこで、当社はサイト制作を行い、集客の部分はリードプラスにお願いするという協業の形もあるのではないかと思います。いうまでもなく、お客様にはそれぞれ、ウェブ、ないしはオンラインチャネルに関するビジョンがあります。そのビジョンの実現に向けて、当社のサービスやパートナーのサービスをさまざまに組み合わせながら、お客様にとっての価値の大きなソリューションを提案・提供していく計画です。

小田切:なるほど、その折には当社にもぜひ、ご協力させてください。

谷口氏:もちろんです。これからもよろしくお願いします。

小田切:こちらこそ、よろしくお願いします。本日は、ありがとうございました。

勝ち残るための選択と集中

*本ページの内容は、2025年3月時点での情報をもとに製作しております。