「BtoBサイトを作るとき、デザインと機能、どちらを優先すべきか分からない」と感じたことはありませんか？
特に、サイトのリニューアルや新規制作の場面では、社内の意見が分かれがちです。
「とにかく見栄えが良く、ブランディング重視でいこう」という声と、「まずはユーザーが迷わない構造を」という意見が衝突しやすいのが実情です。
本記事では、デザイン重視・機能重視のそれぞれのメリット・注意点を整理しながら、BtoBサイトにおける「最適なバランス」の考え方をご紹介します。
デザイン重視のBtoBサイト：メリットと落とし穴
デザインに力を入れる企業の多くは、ブランディングを重要視している傾向があります。特に、海外展開や新規市場への参入、優秀な人材の確保といったフェーズにある企業にとって、「企業イメージを洗練させること」は非常に重要な経営戦略の一部といえるでしょう。
また、初めてWebサイトに訪問するユーザーの多くは、「見た目の印象」で会社の規模感や信頼性を直感的に判断します。洗練されたビジュアルデザイン、整ったタイポグラフィ、統一されたブランドカラーは、こうした第一印象を強力にサポートします。デザインを優先した場合のメリットと落とし穴は次の通りです。
デザイン重視のメリット
- 第一印象で信頼感を与えられる
ユーザーがサイトを訪れた瞬間、「この会社はしっかりしている」と感じてもらえるかどうかは、デザインの完成度に大きく左右されます。特に取引金額やリードタイムが長いBtoBでは信頼が意思決定に直結するため、印象面の強化は重要です。 - ブランドメッセージの可視化
理念や世界観を抽象的な言葉だけでなく、写真やUIの細部にまで落とし込むことで、ブランドの「感性」を視覚的に伝えられます。 - 採用広報に強くなる
特に中途・新卒採用では、応募者が企業の雰囲気をWebサイトから受け取ります。「古い会社」「洗練されている」「面白そう」などの印象は、デザインの差分によって大きく変わります。
デザイン重視の落とし穴
- 導線設計が二の次になりやすい
デザイン先行で進めると、ユーザーにとって本当に使いやすい構造が後回しになり、結果として「きれいだけど使いにくいサイト」が生まれがちです。 - 成果（コンバージョン）に直結しにくい
企業としてはデザイン刷新に満足しても、「問い合わせ」「資料請求」「商談予約」などの行動につながらなければ、投資効果は薄れてしまいます。
機能重視のBtoBサイト：メリットと限界
機能重視に向いているケース
一方で、機能性を重視する制作方針は、営業活動と密接に連携している企業に多く見られます。営業担当者がURLを送った際に「必要な情報がどこにあるか明確であること」「顧客が迷わずフォームや資料ページにたどり着けること」は、営業効率を上げるうえで重要です。
また、IT業界や製造業などでは、商品仕様や導入フロー、導入事例など、ユーザーが欲しい情報が明確な場合が多く、これらをシンプルかつ素早く届ける機能的な構成が求められます。
機能重視のメリット
- 情報が構造化され、目的ページまで迷わず到達できる
情報設計が整理されていると、ユーザーのストレスが減り、ページの回遊率やCV率が向上します。 - 検索エンジンへの適合性が高い
カテゴリ設計や内部リンク、構造化マークアップがしやすくなり、SEO評価が安定します。 - 更新・運用がしやすい
CMSの構造が整っていると、社内でのページ追加や記事投稿などがスムーズに行えます。これにより、Web担当者の業務効率も改善されます。
機能重視の限界
- デザインが軽視されることで、企業イメージに悪影響
視覚的に古い印象を与えてしまうと、どれだけ中身が優れていても、ユーザーの離脱を招く恐れがあります。 - 競合との差別化が難しい
構成が似通っているサイトは多く、結果として印象に残らないサイトになりがちです。
目的に応じた「適切なバランス」の見極め方
BtoBサイトにおける「最適な制作方針」は、一律に語れるものではなく、企業の戦略・ユーザー像・運用体制など複数の要因を踏まえて設計する必要があります。以下のような視点が、バランスの取り方を考えるうえで重要です。
判断軸1：サイトの主目的を明確にする
営業支援が目的 → 情報の明快さ、導線設計、CTAの配置が優先
採用広報が目的 → デザイン性、メッセージ性、社員紹介の見せ方が重要
企業理解の促進 → 会社概要や事業説明ページの構造とトーンバランスが鍵
判断軸2：ペルソナのリテラシーと感性
- 例：情報系SaaS企業のWeb担当者 → 論理的で効率的な構造を好む
- 例：建設業の現場責任者 → 実績紹介や写真重視で判断する傾向が強い
このように、「誰が」「どの段階で」「何を目的に」サイトを見るかを明確にすることで、必要な優先度が見えてきます。
判断軸3：営業活動との連携度
- サイトがインバウンド起点になるなら、SEOとストーリーテリングが重要
- 営業資料として使うなら、製品ページや導入事例ページの使いやすさが鍵
制作プロセスでの工夫
- 初期段階で社内合意形成を図る
「見た目」か「使いやすさ」かという議論を避け、最終的なKPIや成果定義から逆算した要件整理が肝要です。 - ワイヤーフレームとデザインを並行で設計する
「構造」と「ビジュアル」の整合性を、実装前に十分に確認しておくことで、完成度の高い成果物に繋がります。 - 定量評価（CV率・回遊率）と定性評価（使いやすさ・好感度）を両立する
アクセス解析だけでなく、顧客・社内営業・応募者などの声を反映する仕組みづくりも重要です。
まとめ：BtoBサイトは「目的」と「成果」から逆算して設計すべき
Webサイト制作は単なる“見た目のリニューアル”ではなく、企業の成果に直結する重要なマーケティング施策の一部です。
「デザインか機能か」という二択の問いに答えを出す前に、まずは自社サイトが達成すべき目的を明確にし、それにふさわしい設計を検討することが重要です。
リードプラスは、BtoBにおけるWebサイトの役割を深く理解し、目的、ユーザー、成果目標に応じて、デザインと機能の両立を目指したサイト制作をご提案、多くのお客様を支援しています。
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