【フラり対談】株式会社ロカオプ

このコーナーでは、「トップランナー」であり「変革者」であり「インフルエンサー」でもあるゲストの方々と、目指すことや苦労話などを気負わないトークで展開しています。今回のゲストは、中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援し、地域経済の活性化に貢献することを企業理念として掲げ、店舗などに向けたマーケティング支援の事業を展開するロカオプの代表取締役、縣 将貴氏です。同氏とともに、デジタル技術とマーケティングのノウハウを中心に、中小・地域企業の経営をいかに支援していくかについて意見を交わします。

【フラり対談】株式会社ロカオプ

デジタル技術と顧客起点の開発で実現する
中小店舗集客支援の新たなカタチ

株式会社ロカオプ

株式会社ロカオプ

2011年10月に設立されたロカオプでは、地域に密着した中小の店舗・企業が持つ魅力や価値を一層高めることを主眼に、デジタル技術を駆使したマーケティング支援のサービスを開発・提供しています。その中でも、2020年に同社がリリースしたMEO対策(*1)店舗集客支援のプラットフォーム「ロカオプ」(以下、「ロカオプツール」)は、2025年5月時点で5,000を優に超える店舗に採用されています。リードプラスは、同ツールのさらなる普及に貢献すべく2025年5月にロカオプと販売代理店契約を結んでいます。果たして、ロカオプツールは、地域に根差した中小の店舗・企業にどのようなプラスのインパクトをもたらしている(あるいは、もたらし得る)のでしょうか。また、同ツールの根底には、いかなる狙い、想いが流れているのでしょうか。リードプラス社長の堀 裕とアカウントエクゼクティブ部 部長の岡野 潤が、ロカオプ代表取締役の縣 将貴氏に話を伺いました。

(注釈)
*1 MEO対策:Googleマップなどの地図検索サービスで自社の店舗情報やサービスを上位表示させる集客施策を指す。「ローカルSEO対策」とも呼ばれる。

中小企業の困りごとをデジタル技術で解決するために

リードプラス社長 堀 裕(以下、堀):このたびは対談にお付き合いいただき、ありがとうございます。また、当社をロカオプツールの販売パートナーとして採用いただき、改めて御礼を申し上げます。貴社では、地域密着型の中小企業の経営、ビジネスをデジタル技術やデジタルマーケティングの力によって変革することに注力されていますが、当社も各地域の企業・組織のマーケティング支援には力を注いでいます。その点で、貴社と当社は志(こころざし)が同じであると感じていて、そうした貴社のツールをパートナーとして扱えるようになったことを大変嬉しく思っています。

堀 裕




リードプラス株式会社

代表取締役社長
堀 裕

 

ロカオプ代表取締役 縣 将貴氏(以下、縣氏):こちらこそ、貴社に当社のツールを販売していただけるというのは大変ありがたいことです。加えて、このような対談の場を設けていただき、ありがとうございます。お聞きになりたいことは、可能な限り何でもお答えしますので、よろしくお願いします。

縣 将貴氏




株式会社ロカオプ

代表取締役
縣 将貴氏

 

堀:そこで早速お聞きしたいのは、貴社のサービスについてです。貴社では、店舗集客支援を中心にGoogleマップ対策(MEO対策)やWebマーケティング、Web広告、Webサイト制作などのサービスを手がけられています。店舗集客にフォーカスした経緯についてお教えいただけますか。

縣氏:当社の大目標は、デジタル技術やWebマーケティングの技術スキル、ノウハウを駆使して中小企業の経営・ビジネスを支援し、それを通じて地域経済を活性化させることです。その大目標の下、会社を立ち上げた当初は「ワンコイン英会話」の事業を手がけていました。その後にWebマーケティングの技術スキル、ノウハウを生かした「デジタル求人」のサービスを展開し、やがてデジタル技術を駆使して中小店舗の集客を支援したいと考えるようになりました。その考えに沿ってサービス提供の準備を進めていた最中に起こったのが、新型コロナウイルス感染症の大流行です。これにより、集客のDXを推進することが、中小店舗の経営にとって喫緊の課題となりました。そこで当社もサービスの開発、拡充を急ぎ、現在に至っています。

リードプラスアカウントエクゼクティブ部 部長 岡野 潤(以下、岡野):なるほど、店舗集客のビジネスは、あくまでも貴社の大目標を達成するための一策であるということですね。

岡野 潤




リードプラス株式会社

アカウントエクゼクティブ部 部長
岡野 潤

 

縣氏:そう言えますね。また、店舗以外の企業のDXもサポートしたいという想いもあります。ただし、当面は中小店舗の集客支援に特化したビジネスを展開するのが適切であると考えています。

「使いやすさ」を軸に中小店舗へのロカオプツールの普及を促進

堀:ここで少し、貴社の「ロカオプツール」についても確認させてください。このツールには、Googleマップ(MEO)対策やクチコミ対策、Web予約(来店予約)、顧客アンケート、顧客管理、Webサイト制作支援など、店舗集客を増進させるためのサービスが統合されています(下図参照)。

「使いやすさ」を軸に中小店舗へのロカオプツールの普及を促進

堀:このツールは、どのようなコンセプトで開発されたのですか。

縣氏:ロカオプツールは、店舗の周囲半径5~10キロメートル圏内にいる生活者を店舗に呼び込むことを主眼にしたマーケティングプラットフォームです。この目的のもと、本ツールでは「Googleビジネスプロフィール(旧称Googleマイビジネス/以下、GBP *2)」に設定する情報を最適化し、MEO対策を強化することをサービスの中心に据えています。

(注釈)
*2 GBP:Googleビジネスプロフィール。Google検索やGoogleマップに表示されるビジネス情報を無料で登録・管理するためのツール。これを用いることでユーザーは営業時間、写真、特典、投稿などをプロフィールに追加したり、最新情報を発信したりできる。

堀:なるほど。要するにロカオプツールは、Googleマップ上で店探しをしている生活者に対し、店舗の存在をより強くアピールし、選んでもらえるようにするソリューションということですね。そうしたツールを提供するに当たり、貴社として大切にしたこと、ないしは大切にしていることは何なのでしょうか。

縣氏:最も大切にしているのは、誰でも簡単に店舗集客の施策を打てるようにすることです。ロカオプツールは、あらゆる業態の中小店舗をターゲットにしたプラットフォームです。実際に、小売や医療、飲食、スポーツジム、携帯電話ショップ、そして住宅展示場に至るまで、多様な業態のお客様(店舗)がロカオプツールをお使いです。
そうした中小店舗には、大抵の場合、マーケティングを専任で担当する組織や人が不在です。言い換えれば、中小店舗で働く人たちは全員が「職人」であって、マーケティングは本業ではなく、デジタルマーケティングに関する知識を有しません。ゆえに、ロカオプツールでは、デジタルマーケティングの知識を全く持たない人でも簡単に使いこなせる設計を追求しています。

岡野:その辺りのこだわりが、ロカオプツールの普及につながったと言えそうですね。実際に当社では、とあるお客様にロカオプツールを試験的にお使いいただいたのですが、その使いやすさから、導入してすぐに店舗のスタッフが使い始めたと聞いています。

縣氏:それは非常に嬉しいフィードバックですね。
 「使いやすさ」を軸に中小店舗へのロカオプツールの普及を促進-02

GBPの最適化に注力する意義とは

堀:ロカオプツールが店舗の間で広く普及した背景には、GBPの最適化をサービスの中心に据えたこともあると見ています。例えば、最近の調査を見ますと、生活者による店探しにおいて2020年時点ではグルメサイトとGoogle(Google検索・Googleマップ)の利用率がほぼ同じでしたが、2022年にはGoogleの利用率がグルメサイトを大きく上回り、現在でもトップに立ち続けています。これはすなわち、店舗集客においてGBPを最適化することの重要性が高まっていること意味します。また、それに伴い企業の間でGBPへの関心も急激に高まっています。そのGBPの最適化を簡単に行える点は、ロカオプツールの大きな魅力、ないしは強みになっているでしょう。

縣氏:確かに店舗集客を増進させる上でGBPの最適化はとても重要ですし、最近になってGBPへの関心も高まっています。
とはいえ、中小店舗の間にGBPの重要性に対する認識が広く浸透しているかと問えば、そうではありません。また、少し前までは、店舗集客上の課題を解決するために「何をどうすれば良いか全くわからない」というお客様がほとんどでした。そこで当社では、お客様の困りごとを把握することを出発点にして、それぞれの状況を勘案しながら、課題解決に向けたデジタルマーケティングの第一歩としてGBPの最適化を提案するというアプローチをとってきました。
そこで必ず問題になるのが「GBPの最適化をどのように、誰がやるのか」という点で、それに対するソリューションとして、当社ではGBP設定を代行したり、設定が誰でも簡単に行えるツールを提供したりしてきたわけです。そんな当社のサービスを使いながら、GBPの最適化に取り組み、成果を上げることでGBPの重要性への理解が徐々に深まっていく流れにデザインしています。

顧客ニーズ起点のアジャイル開発で市場の変化へ機敏に対応

堀:ところで、ロカオプツールは非常に多くの店舗で使われていますので、新しい機能やサービスを求める声も多くあるでしょう。そうした顧客の声にどう対応されているのですか。

縣氏:一口に言えば、お客様の声に耳を傾け、お客様が望む機能をアジャイルに開発することです。実際、当社ではお客様の要望に従うかたちで、目に見える機能変更・機能追加だけでも年間500件ものアップデートをロカオプツールに対して行っています。

堀:年間500件はすごいですね。その全てが、お客様のニーズを起点した開発なのですか。

縣氏:当社は「お客様の声の裏づけのない開発は行わない」というルールを敷いています。ですので、新たに変更・追加された機能は、ほぼ全てがお客様の要望に沿ったものです。例外的に社内のアイデアをベースに見切り発車で開発を進めることもありますが、基本的にはアジャイル開発の手法に則ったかたちで、お客様の要求に従った開発(スプリント)を、お客様を巻き込みながら回しています。

顧客ニーズ起点のアジャイル開発で市場の変化へ機敏に対応

Web予約システムの利用促進によりコンバージョン率の向上へ

堀:一方、ロカオプツールに関して課題に感じていることは何かありますか。

縣氏:大きな課題は、Web予約システム(以下、予約システム)の利用率を向上させることです。予約システムについて、お客様がすでに持っていたり、それを使う必要性を感じていなかったりすることが多くあるため、ロカオプの予約システムを使おうとするお客様はまだまだ少ないのが現状です。

岡野:予約システムはロカオプの標準機能で、その使用に追加の料金は発生しません。それでも利用はなかなか進まないのですね。

Web予約システムの利用促進によりコンバージョン率の向上へ-01

縣氏:残念ながら進んでいません。
ただ、予約システムは、店舗に興味・感心を抱いた生活者の実来店率(=コンバージョン率)を高める上で、とても大切な仕組みです。
例えば、誰かが最寄りの住宅展示場に興味を抱き「今週末に行ってもみよう」と思い立ったとします。このとき、来店予約をしていないと「いつでも行けるから」といった理由で、結局は住宅展示場に赴かないことが多くなります。それが来店予約をしていると、予約通りに行動することが一種の義務となり、実際に展示場に赴く率が高まります。これはスポーツジムや飲食店、クリニックなど、多くの店舗についても同様に言えることです。また、小売店でも予約の対象を店舗のみならず、店舗の「商品」、あるいは店舗の「人(スタッフ)」などへと押し広げることで、コンバージョン率が高められます。

岡野:なるほど、確かに予約システムは大切ですね。また、予約数を増やすためには、生活者の潜在ニーズを掘り起こしてランディングページ(以下、LP)へ誘導したり、LPから予約登録へと誘導したりするための施策も大切になると思います。

縣氏:その通りです。ですので、ロカオプツールではLPの作成を支援するサービスを提供しています。

堀:生活者の潜在ニーズを掘り起こす施策は、どのようにサポートしているのですか。

縣氏:その施策については、貴社のようにリスティング広告やWeb広告の最適化に長じたパートナー企業に担っていただくことを想定しています。当社の場合、この領域のマーケティングを得意としていません。また、それを支援するサービスも提供していません。そんな当社の足りていない部分を補っていただくという意味でも、貴社には大きく期待していますし、頼もしく感じています。

Web予約システムの利用促進によりコンバージョン率の向上へ-02

生成AIの活用で膨らむリードプラスへの期待

堀:対談の最後として、地域に密着した中小店舗のために、ロカオプツールの取り組みをどう発展させていくかについて確認させてください。

縣氏:さまざまに構想していますが、その1つとして、コンバージョン率の向上に向けて生成AIを有効に活用することを考えています。例えば、来店予約をして実際に来店した顧客が、どのような人で、どんな道筋をたどってきたかを生成AIに学習させれば、コンバージョン率を高めるチャットボットが実現できるはずです。また、顧客データと生成AIを活用すれば、集客のデジタルマーケティングを学習したり、課題解決のヒントを得たりするための環境も構築できるでしょう。その環境づくりを進める際にはリードプラスの知見やお力を借りたいと考えています。その折には、ぜひ、ご協力を願いします。

堀:もちろん、全力でご協力します。実は、私たちも貴社と同様の構想を持っています。それは、Webサイトのアクセス状況を把握するためのダッシュボード「Leadplus One TM」を、単なるダッシュボードではなくWebマーケティングにおけるお客様の課題を解決するコミュニケーションの場へと発展させることです。その場では、お客様からのご質問やご相談に人が全て対応するのではなく、対応の一部をAIに担わせることを想定しています。

縣氏:確かに、それは我々が構想している環境と非常に近いものですね。

堀:そうだと思います。加えて、当社と貴社のサービスの親和性は高く、相互補完の関係にあります。ゆえに、当社と貴社がタッグを組めば、店舗集客を巡る多様で広範な困りごとに対応できるはずです。

縣氏:おっしゃる通りです。私は、店舗集客のDXを推進するチームとして、当社と貴社は「最強のタッグ」であると見ています。
実際、来店予約のシステムを有効に機能させるには、その前段としてLPへの集客を増進させ、かつ、予約へのコンバージョン率を高めなければなりません。そのための施策を最適化する上では、貴社のサービスが非常に有効です。また、貴社が展開しているリスティング広告やコールトラッキング(通話追跡 *3)のサービスから得られるデータは、集客支援のAIを洗練させる有効な教師データになるはずです。

(注釈)
*3 コールトラッキング(通話追跡):広告専用の計測用番号を発番し、各広告媒体に掲載することで、計測用番号からの問い合わせをカウントするサービスのこと。

堀:当社の働きに大きな期待をかけていただき、ありがとうございます。対談の冒頭でも触れましたが、当社と貴社には、各地域の企業、経済をデジタルの力で活性化させたいという共通の想いがあります。その意味でも、これから長くお付き合いいただきたいと考えています。今後ともよろしくお願いします。また本日は、貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございます。大変、勉強になりました。
 
生成AIの活用で膨らむリードプラスへの期待

*本ページの内容は、2025年5月時点での情報をもとに製作しております。