デジタルPR時代の広報とマーケティング

 2017.02.13  LeadPlus

マーケティング同様に広報のデジタル化が進んでおり、広報とマーケティングが非常に近しい関係になっています。私は以前からこの取り組みに着目していましたが、いくつかの事例に着目し広報をうまくデジタルマーケティングと融合させるコツについて紹介していきます。 

広報とマーケティングの融合事例 

基本スタンス

広報をうまくマーケティングと融合させて取り組んでいるのがハナマルキ株式会社さんです。

「おみそな~らハナマルキ♪」のフレーズでお馴染みですね。

ただし現在ハナマルキさんが宣伝に力を入れているのは、「お味噌」だけでなく「塩こうじ」だそうです。最近つくられているテレビCMも、この塩こうじのものです。


それではハナマルキさんがどう広報とマーケティングを融合させているのでしょうか?

それは「ニュースリリースとして出せるかどうかを基準に考える」というスタンスに集約されています。 

テレビCMの告知

実際にハナマルキさんの具体的な取組みを見ていきます。まずは次のCMです。


これは2015年秋に発表された映像(CM)です。ただ分数を見てもらえばわかるように、1分を超えるものとなっていますからWeb限定バージョンになります。

かつてのほのぼのとしたイメージに若干変更を加え、ユニークな仕上がりになっています。このCM制作についても、ニュースリリースで出せるかどうかの視点が入っていたと言います。

実際にYahoo!の映像トピックスで、発表からほどなくランキング1位を獲得したことを考えると狙い的中と言えるでしょう。また、その情報についても自社のニュースページに掲載しています。この動画は商品というよりもブランド広告ですから、認知拡大として大成功だったのではないでしょうか。

リアルイベントの告知

ハナマルキさんの凄いのは、リアルイベントの開催、あるいは展示会などに参加する場合も「ニュースリリースとして出せるか」の広報基準を設けている、という点です。下記のようなイベントも、その一つかもしれません。

参考:ホビークッキングフェア

ハナマルキさんのコーポレートサイト内には、実際にメディア掲載の情報が多く出されています。イベント開催をニュースリリースとして出せるかどうかで決定する→メディアに掲載される、といったサイクルがうまく回っていると言えるでしょう。 

ここまで見ていくと、案外簡単な事にも見えるはずです。しかし実際には、広報とマーケティングの融合にはいろいろと壁があるのです。

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ストックできる事もポイント

広報とマーケティングの壁については、次章で解説したいと思いますので、その前に成功ポイントをもう一つだけ紹介しておきます。ハナマルキさんでは、CMやイベントをストックして、再利用していくという点も挙げられていました。

例えばイベントを開催し、それが多くのメディアに取り上げられても、通常はそこまでで止まってしまいます。 

ストック活用の一例としては、イベントの模様を動画撮影しておき、店頭プロモーションなどに使えるようにしておく、といった行動があります。こうした取組みを行う事で、すべての活動が無駄なく繋がっていくのです。

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広報と広告宣伝 

似て非なるもの

広報と広告宣伝。これは似て非なるものです。

広告・宣伝とはテレビCM、新聞や雑誌、デジタルサイネージ、もちろんWebサイトやネット広告などを使って、商品やサービスを認知させ売り込むものです。ブランド広告の認知拡大も理屈は同じ。基本的にはお金を使っての宣伝活動になります。 

一方、広報(PR)活動は魅力ある情報を発信し、それをメディアに取り上げてもらうものです。その手法として、ニュースリリースがあります。これは、お金を払って告知していく活動ではありません。

時々、記事もメディアにお金を払って記事を載せてもらっている、と考える方がいらっしゃいますが、そうではありません。メディアがニュースを取り上げる価値があるか否かが、掲載の判断基準になります。

もしかすると、Web担当者には検索エンジンでのSEOリスティング広告の関係で説明する方がピンと来るかもしれません。

SEOは内部施策や外部施策など。リスティング広告は広告文や入札単価の調整など。この二つは全く別の取り組みをして、成果を追っていきますね。例えリスティング広告を多く出稿していても、自然検索で上位に来る事はありません。「リスティング広告を多く出している所のページが、自然検索でもよく上位に来ているではないか」という意見がたまにありますが、それはユーザーに影響力がある、あるいはSEO対策を熱心に施しているサイトがリスティング広告にも力を入れているというだけで、相関関係はありません。

未だにこの疑念は拭えないようで、今日でもGoogleの中の人に対してそうした質問が来るそうですが、答えは「検索と広告の部門は明確に分かれていて、ビジネス上の接点はありません」と苦笑いされるのがお決まりのパターンです。

広報と広告・宣伝の関係は、まさにこれと同じです。メディアの記事と広告部門は、分かれています。ですから仮に記者に対して上でGoogleの中の人へしたような同じ質問をすれば「記事と広告部門は別です」と回答されるでしょう。ただしメディアの規模によっては、記事と広告が同じ担当者になっています。またネットメディアでは、著名な所でも兼務をしているというケースも目立ちますがスタンスは同じです。「広告を出しているから、記事掲載もお願いします」という話は成り立たない、と考えておきましょう。

問題は組織

広報と広告・宣伝が違うという理屈は、既に多くの人が認識しているかもしれません。しかし、若干ボーダレスになってきた面があります。それはニュースリリースの配信手段について、紙からネット経由が主流になったからです。

ニュースリリースの配信サイトは数多くありますが、多くのものには自動掲載される提携メディアがあります。これはリリース配信後、素早く提携メディアへと掲載されます。

そのため自社の商品やサービスに関するニュースリリースの場合、インターネット上には多くの掲載が生成される事になります。一般ユーザーは広告もリリースも自分にとって価値ある情報ならば等しく反応しますので、配信経路が違うだけで、ユーザーへ情報が届くもの、という存在には代わりわりません。

ですから広報とうまく組んでマーケティング活動も行えば、成果もアップしていきます。けれどもハナマルキさんのようにはうまくいっていないケースの方が、実は多くあります。大きな理由は、広報と広告・宣伝部門は組織の中では別の部署という点にあります。

前項で解説したようにこの二つは似て非なるものですから、大抵は別になっているのです。

ハナマルキさんの場合は、同じ担当の方がその両方を見ているからうまく融合が進んでいました。一般的な組織だと、連動した動きはなかなか取れないでしょう。

ただし、現在はマーケティングを中心にした組織の再編がトレンドになっています。

手法やツール、リテラシー、あるいは人材の問題(だけ)でなく、どうも組織改編からしないとマーケティングの効率は上げられない、という意識が強まって来ているというのが背景にあります。

そのため今後は、広報と広告・宣伝部門の融合は進んでいくのではないでしょうか。 

実際の取組みと注意点

リードプラスでも広報については積極的に関わっています。例えば影響力のある大手企業でニュースリリースを配信したところ、多くのメディアに掲載されました。広告費はあまり確保できていない状況だったため、メディアからの流入が大きな柱になりました。

広報担当者によっては、広告・宣伝と関わるのを敬遠する人もいます。メディア側が記事と広告とを線引きしているのと同じ意識が、企業側の広報担当者にもあるからです。こうした場合はマーケティング担当者の視点で見ると、組織改編というよりもいかにデジタル時代の変化と重要性を説いていくかが重要になってきます。

広報と広告・宣伝を融合させるには、会社の規模や状況、担当者の性格などに合わせ、多くの調整が必要となって来ます。

このようにWebサイト、あるいはWebマーケティングだけを担当者は見ていれば良いという時代では無くなっています。また広告・宣伝、広報と言った昔からの部署も、役割や取組が変化しています。

それぞれが時代に合わせた新しい動き方に転換できるかが、デジタルマーケティング成功の秘訣となるでしょう。また、海外ではデジタルPRが進化しており、広報部門がオウンドメディアを運営し積極的に情報発信しています。まさにインバウンドマーケティングに取り組む姿はマーケティングと広報の融合と言えるのではないでしょうか。

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