料金プランを比較 自社に適切なプランとは
料金プランは、各社ともサービスによって大きく異なります。担当者の数やユーザー数など、利用者によって料金が変動するものもあり、たとえば、単純な使用ユーザー数で課金される場合は、規模の大きな企業であれば必然と使用者が多くなるので、料金も高くなります。
一方、担当者など特定のユーザーのみの追加に料金が発生する場合もあり、利用者が多くてもコストがかからないことがあります。このように料金体系によって企業のコストが大きく変わるため、費用対効果を得る上で適切な料金プランの選択はとても重要です。
プラン |
価格 |
ユーザー数 |
有料ユーザーの追加料金 |
---|---|---|---|
無料版 |
0円 |
ー |
ー |
Starter |
2,400円~ |
2人 |
追加ユーザーあたり¥1,200/月 |
Professional |
60,000円~ |
5人 |
追加ユーザーあたり¥12,000/月 |
Enterprise |
144,000円~ |
10人 |
追加ユーザーあたり¥14,400/月 |
※税抜き月額換算
※どのプランでも、社内全員が無料版を利用できます。
プラン |
価格 |
ユーザー数 |
---|---|---|
Essentials |
3,000円/ユーザー |
10人まで |
Professional |
9,000円/ユーザー |
上限なし |
Enterprise |
18,000円/ユーザー |
上限なし |
Unlimited |
36,000円/ユーザー |
上限なし |
※税抜き月額換算
このようにどちらのツールにもいくつかのプランがあるため、企業は導入前に必要なプランをよく考える必要があるでしょう。
【年間の費用比較】50名の営業組織でHubSpotとSalesforceを導入した場合の費用の違い
前章ではユーザー当たりの月額費用などを解説しましたが、では実際に利用するとどれくらいの費用になるのかが気になるところです。そこで本章では、50名の営業組織でHubSpot Sales HubもしくはSalesforce Sales Cloudを導入した場合、年間の費用はどれだけ差があるのかを検証します。
今回は、50名の大規模営業組織を想定しているため、HubSpot Sales Hubは最も人数の多いEnterpriseプランを、Salesforce Sales Cloudは人数の制限がプランごとに決められていないため、最も利用されているEnterpriseプランを適用させています。
費用項目 |
HUBSPOT SALES HUB ENTERPRISE |
SALESFORCE SALES CLOUD ENTERPRISE(注:円の金額は、1米ドルを104円で換算した参考情報です) |
---|---|---|
定価 |
有料ユーザー50名あたり月額720,000円 |
50ユーザーあたり月額900,000円 |
ライセンス費用 |
ユーザーを追加する場合は有料ユーザー1名につき月額14,400円 |
ユーザーを追加する場合はユーザー1名につき月額18,000円 |
プラットフォームのメンテナンス |
1つのコードベースで構築されたシームレスなプラットフォーム |
マルチクラウドインテグレーション用のコネクターによる管理 セットアップの所要時間は20時間程で、定期更新(5,000ドル、104円換算で520,000円)が必要 (例:Marketing Cloud) |
コールソフトウェア |
すべてのプランに含まれる。通話時間の制限あり(Enterpriseプランの場合、ユーザーあたり月2,000分)。一部の国のみで提供 |
通話とログ:ユーザーあたり(1,000分)月額40ドル(104円換算で4,160円) |
営業エンゲージメント ソフトウェア |
Enterpriseプランで提供:
|
受信トレイ:ユーザーあたり月額25ドル(104円換算で2,600円) Salesforce Engage:ユーザーあたり月額50ドル(104円換算で5,200円) |
コミュニケーションインテリジェンスとコールコーチング |
Enterpriseプランで提供:文字起こし(アカウントあたり月1,500時間)。有料で上限の引き上げが可能 |
High Velocity Sales:ユーザーあたり月額75ドル(104円換算で7,800円)、シーケンス、キュー、Einstein コールコーチングが含まれる |
カスタマーサポート 費用 |
すべてのProfessionalプランおよびEnterpriseプランに電話とEメールによるサポートが含まれる |
24時間365日のオンラインまたは電話でのサポートは契約価格の20%で提供 追加機能へのアクセスは契約価格の30%で提供(米国内のサポートの場合はさらに5%上乗せ) |
1年間に必要な推定総額(50名のチームの場合) |
9,000,000円 |
26,875,200円(104円換算) |
※税抜き表示(2022/10時点)
※引用:HubSpot公式
HubSpotの各プランには、それぞれの主要機能がすべて含まれています。そのため、営業活動を行うユーザーのみで有料ユーザーを契約すれば、マーケティング部やサポートが有料ユーザーにならなくても、CRMなどの無料機能を利用できます。
また、プラットフォームのメンテナンスやカスタマーサポートに費用が掛からないので、Salesforce Sales Cloudよりも年間総額が安価になりやすいです。
一方Salesforceの各プランはユーザー単位で課金され、さらに追加で別途料金がかかる主要機能もあります。また、マーケティング部などとの連携を行うにも、追加の費用が掛かります。
また、定期的なメンテナンスで都度費用が掛かるほか、カスタマーサポートは契約価格の20%が上乗せされるため、年間の費用が大きく膨らんでしまいがちです。
HubSpotの導入をオススメしたい企業の4つの特徴
※引用:HubSpot公式サイト
ここまでHubSpotとSalesforceの機能や操作性の比較を解説してきましたが、結局「自社にHubSpotで使えるのか?自社とフィットするのか?」と思われている方もいらっしゃるかと思います。
そこでHubSpot が自社で合うかどうかを判別する4つのポイントについて紹介します。
- コストを抑えたい
- SEO対策に力を入れていきたい
- MAツールを導入していない
- ツール導入後の運用に不安を感じている or 既に上手く活用できていない
1.コストを抑えたい
コストを抑えてツールを導入したい企業に、HubSpot はオススメです。
有料契約をして理想と異なっていた場合、解約をして新たなツールを探すなどの手間がかかります。効率的なマーケティングを行いたい企業にとって、避けたい状況です。
ツール導入初心者でいきなり結果を求めるよりも、まずはお試し感覚でツールを利用して様子を見たいという人はHubSpot CRMを利用してみてください。
また、HubSpotの場合、無料で使える機能の多さと必要な機能を選定して導入できる点は非常に魅力的でしょう。
無料のツールとしては十分な機能が備わっていますが、慣れてきてもう少し機能の幅を増やしたいという方は、スタータープランという有料版もあります。
さらに、自社が提供したいサービス内容に合わせて、ツールの組み合わせを行えるのも、HubSpot のメリットなので、必要な機能だけを導入でき、コスト削減が可能です。加えて余計な機能がないプラットフォームとなり、使いやすさを感じられます。
コストを抑えながら現在の課題をクリアしたい人は、試しに使ってみると良いでしょう。
参照:HubSpot価格表
2.SEO対策に力を入れていきたい
検索エンジンのオーガニックな検索結果において、特定のウェブサイトを上位に表示したい企業にも、HubSpot はおすすめです。
HubSpot には、Webサイトや記事などのコンテンツ制作機能ができるツールもあり、自社サービスや顧客に有益な情報発信が可能となります。
コンテンツに興味関心をもってくれた顧客が自ら、自社に接触してくれるケースも生まれるため、人的コストを削減できるのです。
また、サイトのパフォーマンスを測定・分析するためのアナリティクス機能など必要なものが含まれているため、ブログなどを寄稿するだけでなく、PDCAをより早く正確に回すことができ、中長期的にも施策が成功する確率が上がるでしょう。
まずは知っておきたい!SEO初心者がするべきことを徹底解説
SEO対策については「まずは知っておきたい!SEO初心者がするべきことを徹底解説」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
3.MAツールを導入していない
初めてMA(マーケティングオートメーション)ツールを導入検討している企業は、HubSpot から使い始めることをおすすめします。
他のMAツールからHubSpot に変更したことで作業効率がアップしたという口コミがあるように、全体的に他のMAツールよりも評価が高く、実績も申し分ありません。
特に、マーケティングで重要な顧客情報の収集に関する機能が豊富で、自動的に記録してくれる機能は、営業担当者からすると作業の負担は減り嬉しいポイントではないでしょうか。
メールや電話、チャットなど顧客とのコンタクトツールも多く、周辺作業のサポートをしてくれるので、一人ひとりの作業負担が少なくなるのは大きなメリットと言えます。
また、マーケティングやセールス、カスタマーサポートなどMAツールの全てが揃ったオールインワンパッケージですが、用途に応じて段階的に導入したり、一度にまとめて導入したり、どちらも選べる点も初心者にとって嬉しいポイントです。
さらに、Hubspot には潜在顧客の中からリード(見込み客)を見極めるために便利な機能があるので、顧客を絞って対応をすることができます。
優先順位をつけて顧客対応をすることができるので、重点的に顧客になりうるリードを対象にセールスできるのです。
業績をアップさせるには、いかにリードから顧客に発展させられるかが重要なので、効率良く結果を出したいなら必要な機能ではないでしょうか。
MAに必要な機能を自分で揃えるにはハードルが高いので、初めて使う方こそHubSpot から利用することをオススメします。
MA導入の5ステップ!選定や運用で失敗しないための注意点を解説
マーケティングオートメーションについては「MA導入の5ステップ!選定や運用で失敗しないための注意点を解説」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
4. 導入後の運用に不安を感じている or 既に上手く活用できていない
ツールを導入後の運用体制やノウハウについて不安がある企業は、HubSpot だと導入後その不安を感じることは少なくできるでしょう。
HubSpot は、有料・無料ユーザーどちらでも使用できる、公式コミュニティがあります。
HubSpot 販売パートナーや、連携アプリ開発者とコンタクトをとれるため、感じた不安点を解消したり、より円滑な運用方法を学んだりできるのです。
日本語版コミュニティもあるので、英語がわからないユーザーも安心してコミュニティを利用できるでしょう。
既に、HubSpotを導入していて上手く活用できていない方も、公式コミュニティや販売パートナーに相談することで、自社に合ったHubSpotの有効活用ができるようになるでしょう。
【HubSpot導入支援】失敗しないパートナー選定の3つのポイント
より詳しいパートナー選定のポイントについては知りたい方は「【HubSpot導入支援】失敗しないパートナー選定の3つのポイント」をご覧ください。
Salesforceの導入をオススメしたい企業の3つの特徴
※引用:Salesforce公式サイト
前章では、HubSpotの導入をオススメしたい企業の特徴を解説してきました。
本章では、よくHubSpotと比較されがちなSalesforceが、自社で合うかどうかを判別する3つのポイントについて紹介します。
- 企業規模が大きく、ワークフローなど社内ルールが細かく整備されている
- SFA・CRMツールの導入経験があり、Salesforce専任の運用担当者を配置できる
- 顧客情報・問い合わせ情報・売上予測などのあらゆるデータを一元管理している
1.企業規模が大きく、ワークフローなど社内ルールが細かく整備されている
Salesforceを導入する際は長期にわたり運用するため、ランニングコストが高いため企業規模が大きい企業のほうが向いている傾向があります。
また、Salesforceの強みに、カスタマイズ性の高さがあるため、ワークフローなど社内独自のルールや、細かな複雑なルールがある場合でも、Salesforceなら対応することが可能となります。
2.SFA・CRMツールの導入経験があり、Salesforce専任の運用担当者を配置できる
Salesforceを導入する際には、既存のシステムからの移行やSalesforceを社員が使いこなすための社内研修など、多くのリソースが必要となります。そのため、他業務と兼務して行うには負荷が大きすぎるかもしれません。また、導入後も常にSalesforceに関する知識や活用方法についてインプットをしないといけないため、他業務と兼務は厳しいでしょう。
Salesforceをしっかり運用できている会社は、多くのケースでSalesforceの専任が担当者として配置されています。専任を設けることで、マーケティング部とセールス部との細かな連携などもサポートすることできるため、費用に見合ったSalesforceの活用ができます。
3.顧客情報・問い合わせ情報・売上予測などのあらゆるデータを一元管理している
多くのSFAやCRMツールは、顧客管理や営業の進捗状況など、一分野のみに特化しています。その点、Salesforceであればカスタマーサポートや売上分析・予測、日報や報告書など、様々なデータを一元管理することができます。
部門や、案件ごとにツールを分ける必要がないため、様々なデータをSalesforce上に集約することができ、部門間の連携をシームレスにすることができるでしょう。そのため、業務効率化による生産性向上を目指すことができます。
HubSpotとSalesforceは連携できる
HubSpotとSalesforceは、双方向での連携ができます。HubSpotはProfessionalかEnterprise、SalesforceはProfessional、Enterprise、Unlimitedのプランで連携機能が利用できます。
どのようなデータが同期されるのか?
Salesforce上へ同期できるデータは、フォームで取得したデータはもちろんのこと、ページの閲覧、メールの開封、クリックデータも「活動履歴」として連携されます。また、Salesforce上で作成したカスタムフィールドもHubSpot上に作成し、同期を行うことができます。
つまり双方向のデータ連携が可能になるのです。
連携することによるメリット
HubSpotとSalesforceを連携することで、互いのツールの強みを最大限に活かせます。たとえば、HubSpotで得た顧客の「興味・関心」の情報を自動的にSalesforceに送ることで、営業チームはリアルタイムで情報を把握できるため顧客への営業方法を最適化することが可能です。
さらにメール送信時や開封履歴の確認などを、Salesforceのワークフローを経由させて行うこともできます。イベント案内やご案内フローなど、マーケティングが用意したものを自動で起動させられるのです。こうすることで営業担当者以外でも、一律に同じ動作をさせることができるようになります。
連携がされるシチュエーション
一般的にはマーケティングが集めたリードをインサイドセールス部門が精査し営業担当へ橋渡しすることが考えられます。
いきなり同期した場合、コンバージョンしたばかりの見込みの低いリードも同期されてしまうため営業やインサイドセールスの負担は大きくなってしまいます。
そこで一般的にはMQLになった時にSalesforceへと連携するなどの設定を行います。
HubSpotでは顧客ライフサイクルステージが標準で提供されていますので、これを基に例えば、 “Marketing Qualified Lead (MQL)のコンタクトリストを作成し、こちらを条件にSalesforceとの同期設定を行い、質の高いマーケティングリードのみをSalesforceへ取り込む” といった設定が可能です。
5分でわかる「HubSpotのAPI」| 4つの連携方法を解説
HubSpotのAPIの連携については「5分でわかる「HubSpotのAPI」| 4つの連携方法を解説」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
SalesforceからHubSpotへの移行を支援する充実したサービス
企業がSalesforceを利用していてHubSpotに移行したい場合、専門の移行チームが全面的にサポートしてくれます。移行に関わる問題も解消してくれるので、安心して任せられるのです。
たとえば、移行で問題点となるのが、データの最適化や作業の中断です。データがただのコピー&ペーストでは移行後に利用しづらいですし、移行中に作業が中断して生産性が落ちてしまっても問題です。その点、専門チームは、しっかりとデータを最適化して、移行中も作業がストップしないように段階的に移行を行います。
また、企業の未来を考えて、拡張性を考慮した構築も行ってくれます。構築前の課題を抽出して、移行後に目標を達成できるように、プロセスをしっかりと策定して作業を実施するのです。もしSalesforceからHubSpotへの移行を考えているのであれば、こうしたサービスの利用がおすすめです。
まとめ
シンプルで利用しやすいHubSpotと、さまざまな機能が付加できるSalesforceは、互いに利点が異なります。
また、両者は連携もできるため、両方のサービスから自社に合う最適な機能を見つけて、契約するのも一つの手段となります。
事業内容や企業の規模によっても合うサービスが変わるため、二つのサービスをしっかりと比べて自社に合ったサービスを選定しましょう。