インターネットが普及しひとり1台スマートフォンを持つことが当たり前になった今、消費者は時間や場所を問わずに知りたい情報へアクセスできるようになりました。消費行動も変化し、購入までにはさまざまなプロセスを踏んで意思決定が行われています。
そこで企業では、消費者の行動に合わせたWebマーケティング施策が求められています。オウンドメディアやSNSなど、施策は多岐にわたり担当者の業務は増える一方です。
そこで、マーケティング施策を効率化するにあたって、マーケティングツールを導入する企業が増えています。マーケティングツールは、種類により使用するシーンや目的などが異なります。導入にあたっては種類ごとの特徴を把握し、そのうえで業務プロセスに合わせて使い分けなくてはなりません。
本記事では、マーケティングツールの種類やおすすめの製品を解説します。併せて、ツール選びのポイントもお伝えするので、導入の際に役立ててください。
マーケティングツールとは?
マーケティングツールとは、マーケティング活動の効率化に役立つツールです。製品によって実装されている機能は異なりますが、顧客情報の一元管理や商談状況の可視化、リードのスコアリングなどの機能を備えています。
ビジネスにおけるマーケティングとは、商品やサービスを売るための仕組みづくりです。従来、このような仕組みづくりや、仕組みを用いた取り組みは手動で行われていました。たとえば、リードの情報を洗い出してExcelに入力後、人の手でスコアリングをするといった作業が挙げられます。
顧客の数が少なければ手動でも対応できますが、顧客数が増えるほど手間と時間がかかります。一方、マーケティングツールを用いれば、リードの情報を自動的に収集できるほか、集めた情報を効率的に分析できます。また、メール配信機能を備えたツールであれば、配信時間の設定により顧客の求めるタイミングでメールを自動配信できます。
ツールを用いて膨大なデータを収集、蓄積し分析を行えば、顧客の行動パターンも見えてくるでしょう。そのため、どのような顧客が自社の商品やサービスを購入するのかを把握でき、より適切なアプローチが可能になるのです。
マーケティングツールが注目される理由
マーケティングツールが注目される理由としては、消費者行動の変化が挙げられます。また、新規顧客の獲得は既存顧客の維持と比べて多大なコストがかかるため、既存顧客との関係性の構築を重視する企業が増えたためです。
消費者行動の変化
成果につながるマーケティングを行うには、時代に合った手法で取り組む必要があります。現代は消費者の行動が変化しており、従来のマーケティング手法では十分な成果を得にくくなりました。
消費者行動が変化した要因のひとつがインターネットやモバイル端末の普及です。誰もがさまざまな情報を入手できる時代となり、消費者は自ら情報を手に入れて比較、検討ののち購入するか否かを決めるようになりました。
そのため、従来のように不特定多数へ同じようにアプローチする手法では、成果につながりにくくなっています。そこで、多くの企業は個々の顧客に合わせたアプローチを行う、One to Oneマーケティングへと移行し始めたのです。
顧客のニーズや状況を把握し、個々へ適切なアプローチを行うとなると手動では困難です。そのため、顧客情報を一元的に管理し、効率的なマーケティングを実現できるツールの必要性が高まりました。
既存顧客との関係性を構築する必要が出てきた
新規顧客の獲得には多大なコストがかかります。広告の出稿やウェビナーの開催などでリードを集め、インサイドセールスを経てフィールドセールスが成約する、このように新規顧客獲得に要するプロセスは多く、コストも高くつくのです。なんと、新規顧客獲得にかかるコストは、既存顧客維持の5倍ともいわれています。
さらに、近年はリモートワークを導入する企業が増え、イベントや展示会、セミナーなどで新規顧客を獲得するのが難しくなっています。新たな顧客を創出できる場が制限されているため、既存顧客と良好な関係を構築する必要が生じました。
マーケティングの基本プロセス
マーケティングツールの導入を進める前に、まずはマーケティングにおける基本プロセスを再確認しておきましょう。ツールを導入しても、マーケティングの基本を押さえていないと活用できないおそれがあります。マーケティングは基本的に6つのプロセスから成り立っています。
- ターゲティング
- リードジェネレーション
- リードナーチャリング
- インサイドセールスとフィールドセールス
- 顧客との関係を構築
- 分析と改善
1.ターゲティング
ターゲティングとは、自社の商品やサービスを売り込む相手を絞り込むプロセスです。ターゲティングでは、3C分析やSTP分析などがよく用いられます。
ターゲティングを行わないことには、マーケティングの対象が広くなり非効率です。市場のすべてにリソースを投入することになり、莫大なコストがかかるでしょう。狙うべき層へ集中的にリソースを投入するため、ターゲティングを行います。
ターゲティングを行うときは、市場の現状や将来性、競合の有無なども分析します。今は魅力的な市場でも、将来性が見込めないようでは先がありません。また、強力な競合がいくつも存在しているようでは、優位性をとれずビジネスが不利になってしまいます。
できるだけ細かくターゲティングを行うのも大切なポイントです。消費者のニーズが従来より細かくなっているためです。ただ、あまりにも細かくしすぎるとマッチする層が出てこないため注意しましょう。
2.リードジェネレーション
リードジェネレーションとは、見込み客を集める取り組みを指します。自社の商品やサービスに何らかの興味を抱いている、今は購入しなくてもいずれ購入してくれる可能性がある、といった見込み客の情報を集めます。
具体的な手法としては、Web広告やSNSの活用、資料請求、ウェビナーなどが挙げられます。接点をもつことで見込み客の電話番号やメールアドレスなどを取得し、リード情報として管理するのです。また、セミナーやイベント、DM、展示会などオフラインの見込み客獲得手法もあります。
見込み客を集めるプロセスでは、できるだけたくさんの人と接点をもてるような施策が必要です。そのときは見込みが低くても、育成次第では今後優良顧客に成長する可能性があります。そのため、この段階では質より量を重視したマーケティング施策が求められます。
リードジェネレーションで成果を上げる施策とは?7つの手法を解説
リードジェネレーションについては「リードジェネレーションで成果を上げる施策とは?7つの手法を解説」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
3.リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、リードジェネレーションで獲得した見込み客を育成するプロセスです。見込み客にとって有益な情報や、求めるものを積極的に提供しつつ購買意欲を高めます。
定期的なメルマガやステップメールの配信、SNSを用いた情報発信などが具体的な手法です。自社の商品やサービスにどのような魅力があるのか、どういった悩みや課題を解決できるのか、といった情報を発信することで、見込み客の心理に働きかけられます。
適切なリードナーチャリングを実施することで、獲得当初は商品やサービスにほとんど興味がなかった見込み客の購入意欲を高められます。また、継続的なアプローチで良好な関係を構築できれば、自社や商品のファンになってもらえる可能性もあり、長期的に貢献してくれる優良顧客へと育てられる可能性もあります。
リードナーチャリングで大切なのは、見込み客が求める情報を適切なタイミングで発信することです。不要な情報を届けたり、購入意欲が低いタイミングで売り込みをかけたりすると、不信感を与えてしまい見込み客ですらなくなるおそれがあります。
ナーチャリングとは?施策の4つのポイントやメリットを解説
ナーチャリングについては「ナーチャリングとは?施策の4つのポイントやメリットを解説」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
4.インサイドセールスとフィールドセールス
インサイドセールスとは、電話やメール、チャットなどを用いて行う非対面の営業活動を指します。リードの獲得からナーチャリングを担当するケースが多く、優先度の高い見込み客を営業部門に引き渡します。
フィールドセールスとは、担当者が顧客のもとへ足を運ぶタイプの営業手法です。かつては、フィールドセールスで見込み客の獲得や育成、クロージングまで行うケースが多く見受けられましたが、インサイドセールスの登場により見直す企業が増えています。
インサイドセールスとフィールドセールスがうまく連携し、噛み合うことで営業活動の効率化を図れます。インサイドセールスによる見込み客への優先順位づけ、育成による購買意欲の向上を図り、受注につながりそうなリードのみを抽出してフィールドセールスへ引き渡せば、無駄のない営業活動を実現できます。
5.顧客との関係を構築
顧客との良好な関係を長期的に維持できれば、LTV(顧客生涯価値)の向上につながり、企業により多くの利益をもたらしてくれます。そのため、受注に結びついたときもそうでなかったときも、顧客との良好な関係構築、維持に努めることが大切です。
商談がうまくいったときは、丁寧なアフターフォローを継続することで良好な関係の維持が可能です。商品やサービスに問題がないか定期的にメールで質問する、便利な使い方や操作に関する情報を送るといった施策が考えられます。また、アップセルやクロスセルでさらなる販売促進を狙うのもよいでしょう。
商談が不成立だったときも、そこで諦めるのではなく、再度関係の構築に取り組みましょう。なぜ受注にいたらなかったのかを明確にし、そのうえで改善策を考えます。必要に応じて再度ナーチャリングにも取り組み、今後「買いたい」となったタイミングで適切な対応を行えるよう準備をしておきましょう。
6.分析と改善
マーケティングの精度を高めるには、分析と改善のプロセスが不可欠です。施策を実施して放置していては、何が原因で失敗したのか、なぜうまくいったのかが分かりません。成否にかかわらず、施策の実施後にきちんと分析と改善を行うことで、マーケティングのブラッシュアップが可能です。
分析と改善のプロセスでは、仮説を立てたうえで試行錯誤を続けましょう。たとえば、メールの開封率が低い場合、仮説として考えられるのは「タイトルがよくない」「配信のタイミングが悪い」などが考えられます。
仮説を立てたら、タイトルや配信のタイミングを変更し再度試してみましょう。なお、一度の改善につき試すのはひとつの変更までです。複数の変更を同時に検証してしまうと、どの要素が影響したのかが分かりません。このケースでは、まずタイトルか配信のタイミングどちらかに絞って検証を行うとよいでしょう。
このように、PDCAサイクルを回しながら改善に取り組めば、少しずつマーケティング施策の精度が高まり、より大きな成果を得られるようになるでしょう。
マーケティングのプロセスごとにツールを使い分ける
マーケティングのプロセスごとに適したツールがあるため、適切に使い分けることが大切です。以下、プロセスごとに使用するツールをピックアップしました。
- ABM:最適なターゲット企業の選定
- MA:リード獲得や育成・分析
- SFA:インサイドセールス/フィールドセールス
- CRM:顧客との良好な関係の構築・維持
各ツールに特徴があり、できることできないこと、メリット・デメリットがあります。どのマーケティング施策を強化したいのか、達成したい目的や解決したい課題は何なのかを考えたうえで選定を進めましょう。
ABMツール
ABMはAccount Based Marketingの略で、ターゲットとする企業を選定するのに用います。BtoBビジネスにおけるターゲットの選定に用いるツールであり、優先的にアプローチすべき企業を明確にできるのがメリットです。
ABMを導入すれば、企業ごとに取り引き履歴を管理できます。過去にどのような商品を購入しているのか、何回購入しているのかといった情報を管理でき、分析を行うことでどの企業へアプローチすべきかが分かります。
どのタイミングで何を購入したのか、といった情報も可視化できるため、適切なタイミングで商談の提案を行えるのもメリットです。また、ABMの導入により、部門間におけるスムーズな情報共有と連携が可能です。リアルタイムに最新の情報を共有できるため、シームレスな連携を実現し効率的なマーケティングに取り組めます。
ABMとは?注目を集める新たなBtoBマーケティング手法
ABMについては「ABMとは?注目を集める新たなBtoBマーケティング手法」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
MAツール
MAはMarketing Automationの略で、マーケティングで発生するさまざまな業務の効率化を図れるツールです。見込み客の獲得や管理、フォーム作成、スコアリング、メールの自動配信などさまざまな機能が実装されており、膨大な数のリードに対応可能です。
MAを活用すれば、見込み客情報も自動的に収集できます。従来のように、アンケートフォームや資料ダウンロードフォームに入力された情報を、人力でExcelやデータベースに転記するといった手間が発生しません。Webサイトのアクセスユーザーを分析し、確度の高いリードの情報を自動的に収集できるため効率的です。
また、リードナーチャリングにも役立ちます。MAにはスコアリング機能があり、見込み客の購買意欲を可視化できます。見込み客のステージごとに施策を使い分けることができ、個々に合わせた育成が可能なのです。
獲得した見込み客に対し、自動的にステップメールを配信する機能も備わっています。手間を削減できるのはもちろん、段階的なアプローチによる効果的なナーチャリングを実現します。
MA導入の5ステップ!選定や運用で失敗しないための注意点を解説
MAについては「MA導入の5ステップ!選定や運用で失敗しないための注意点を解説」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
SFAツール
SFAはSales Force Automationの略で、営業支援システムのことです。営業活動で生じるさまざまな業務の効率化、可視化に役立つツールで、インサイドセールスやフィールドセールス領域に強みをもちます。
代表的な機能として、名刺管理や顧客情報管理機能が挙げられます。顧客の名刺を一元管理できれば、担当者が異動や退社でいなくなっても、後を引き継いだ担当者が問題なく対応できます。
商談の進捗を管理できる機能が備わっているのも特徴です。商談が現在どの程度進んでいるのかを可視化でき、チームで共有できます。また、営業担当が特定の顧客に何回電話をしたのか、何度訪問したのか、いくつ商品を提案したのか、といった情報の管理もできます。
ほかにも、売上予想やレポート管理など、SFAには営業活動を支援するさまざまな機能が実装されています。うまく活用すれば、インサイドセールスとフィールドセールスの業務効率化や生産性向上にもつながるでしょう。
SFA導入によるメリット|導入前に知っておきたい失敗パターンを解説
SFAについては「SFA導入によるメリット|導入前に知っておきたい失敗パターンを解説」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
CRMツール
CRMはCustomer Relationship Managementの略で、顧客管理システムのことです。顧客に関するあらゆる情報を一元的に管理できるシステムです。CRMを導入すれば、顧客の氏名や性別といった属性情報をはじめ、過去にどのような商品を購入したか、直近の来店日はいつか、これまでトータルでいくら商品を購入したか、といったことまで管理できます。
CRMの活用により、顧客との関係維持に役立ちます。CRMにはセグメントメール配信機能があり、グループごとにフォローメールの送信が可能です。定期的に配信して接点を持ち続ければ、自社や商品を忘れられる心配がなく、リピート購入にもつながります。
問い合わせ管理機能もCRMに備わっている機能のひとつです。個々の顧客における過去の問い合わせ履歴を管理できるため、誤って同じメールを配信してしまう、対応を忘れてしまうといったリスクを軽減できます。個々の顧客へ適切な対応ができるため満足度向上につながり、良好な関係の維持に役立ちます。
ターゲティングリストの作成に役立つ、アンケート機能を備えたツールも少なくありません。アンケートフォームの作成や実施、結果の収集・分析を行えるツールで、結果に基づくリストを作成すれば適切なアプローチを行えます。
CRMとは?顧客関係管理で必要な基礎知識から製品選定まで一挙紹介!
CRMについては「CRMとは?顧客関係管理で必要な基礎知識から製品選定まで一挙紹介!」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
おすすめの最新MAツール
リードの獲得からナーチャリングまで活用できるMAは、マーケティングの強化に欠かせないツールです。製品によって実装されている機能や特徴が異なるため、比較しつつ検討しましょう。
- Marketo Engage
- Pardot
- Hubspot
1.Marketo Engage
Marketo Engageは、多彩な機能を備えたマーケティングツールです。MAに求められる機能が充実しているのはもちろん、CRMやチャットシステム、SFAなどさまざまなツールと連携できる高い拡張性を備えています。
見込み客の購買意欲を細かくスコアリングでき、モチベーションが高くなったタイミングで通知してくれる機能を実装しているのも特徴です。そのため、ベストなタイミングでアプローチを行うことができ、機会損失も回避できます。
反復業務の自動化や効率化も可能で、生産性向上に役立ちます。定型業務の自動化はヒューマンエラーの抑制や業務品質の向上にもつながります。マーケターから高い評価を得ている実績のあるツールであり、長期的な顧客のフォローを通じて利益拡大につなげたい企業に最適です。
SelectやPrime、Ultimate、Enterpriseなどのプランが用意されており、価格は要問い合わせです。
2.Pardot
Pardotは、CRMやSFA、MAなどを提供しているSalesforceのMAです。マーケティングに必要な機能を網羅し、同社が提供しているSales Cloudとの連携によるワンランク上のマーケティングを実現できます。
Sales Cloudとの連携により、Pardotで管理しているリードの行動履歴や購買意欲などを同期させられます。そのため、営業担当はSales Cloud上で速やかにアプローチすべきリードを把握でき、スピーディーな対応が可能です。
なお、Pardotの料金は以下の通りです。
- Growth 月額150,000円/年契約
- Plus 月額300,000円/同上
- Advanced 月額480,000円/同上
- Premium 月額1,800,000円/同上
3.HubSpot
HubSpotは、アメリカに拠点を構えるHubSpot社が提供しているMAです。マーケティングに必要なツールを網羅しており、BtoBとBtoCどちらにも活用できます。
MAのみならず、SFAやCRM、ABMの機能を包括的に備えていることが大きな特徴です。そのため、これひとつあればリード獲得から育成、顧客管理、ターゲット選定とマーケティングにおけるほぼすべてのプロセスを実行できます。
料金プランは3つ用意されていますが、無料プランもあるため、試用したうえで自社にマッチしたプランを選ぶとよいでしょう。
- Starter 月額5,400円/年契約
- Professional 月額96,000円/同上
- Enterprise 月額384,000円/同上
【初心者向け】HubSpotとは?5つの機能も徹底解説
HubSpotの機能やメリットについては「【初心者向け】HubSpotとは?5つの機能も徹底解説」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
おすすめの最新CRMツール
CRMは、顧客管理と関係性の構築、維持に欠かせないツールです。以下、おすすめの最新CRMをピックアップしました。
- Salesforce SalesCloud
- Microsoft Dynamics 365
- Synergy!
1.Salesforce SalesCloud
Salesforce SalesCloudは、SFAの機能も実装したクラウドCRMです。あらゆる顧客情報を1ヶ所に集約でき、反復作業の自動化による業務効率化も図れます。AI技術を採用しているのも特徴で、従来よりもスムーズな営業活動を実現できます。
設定が簡単で使いやすいのも特徴です。チュートリアルやガイドが表示されるため、誰でも簡単に設定が可能です。また、さまざまな外部アプリケーションとの連携が可能で、拡張性に長けているのも魅力です。
4つのプランが設けられていますが、一定期間の無料トライアルが可能です。あらかじめ機能や操作を確認できるため、試用してから導入を検討するとよいでしょう。
- Essentials 月額3,000円/年契約
- Professional 月額9,000円/同上
- Enterprise 月額18,000円/同上
- Unlimited 月額36,000円/同上
2.Microsoft Dynamics 365
Microsoft社が提供している業務用アプリケーションで、CRMのみならずERPやMA、SFAの機能もカバーしています。顧客管理だけでなく、営業活動の可視化や見込み客のスコアリングなど、マーケティングに要する多彩な機能を実装しているのが特徴です。
Microsoft 365との連携に対応しているため、さまざまな使い方が可能です。たとえば、顧客情報をOfficeアプリで管理する、といったこともできます。また、従来のOfficeアプリを彷彿とさせるデザインを採用しているため、Officeユーザーであれば直感的に操作できるでしょう。
CRM導入時には、操作に慣れるため一定期間のトレーニングを要するケースが多いですが、その心配もありません。Officeユーザーならすぐ慣れ親しめるため、教育コストの抑制につながります。
Microsoft Dynamics 365は複数のアプリケーションで構成されており、必要な機能を搭載したアプリケーションを選択し導入します。CRMの機能を使う場合はDynamics 365 Salesを選びましょう。
Dynamics 365 Salesには4つのプランがあります。
- Sales Professional 月額7,070円
- Sales Enterprise 月額10,330円
- Sales Premium 月額14,680円
- Microsoft Relationship Sales 月額17,576円
3.Synergy!
Synergy!は、クラウド型の顧客管理システムです。これまで7,000件以上の導入実績がある国産CRMで、マーケティングに関するさまざまな「困った」を解決できる優れものです。用途に応じてさまざまな機能を組み合わせて導入できます。
たとえば、Webでアンケートを作りたい、安全に配慮してメールを配信したい、休眠顧客を掘り起こしたい、といった課題の解決に役立ちます。顧客の属性を管理できるのはもちろん、クーポンの利用状況まで確認可能です。
使いやすさに定評があるため、初めてCRMを導入する企業も安心です。また、操作方法に関する問い合わせへの対応や重要事項の案内など、無償サポートが充実しているのも選ばれている理由でしょう。
- データベース/フォーム 初期費用118,000円 月額15,000円~
おすすめの最新SFAツール
商談の進捗や担当者の行動履歴などを把握できるSFAも、さまざまなツールがリリースされています。以下、おすすめのツールをピックアップしました。
- eセールスマネージャーRemix Cloud
- Senses
- Kintone
1.eセールスマネージャーRemix Cloud
これまでに5,500社以上が導入してきた実績のあるツールです。SFAとCRMの機能を兼ね備えており、営業活動の効率化や顧客関係の維持に役立ちます。機能のひとつである、名刺OCR機能は名刺のデジタルデータ化ができる機能で、スマートフォンで撮影した名刺をデータ化します。
95%の高い定着率を誇るツールですが、その理由は丁寧かつ継続的なサポート体制です。ツールを導入し、運用が軌道にのるまで継続的なサポートを受けられるため、初めてSFAを導入する企業も安心できるでしょう。
一度の情報入力で、スケジュールや顧客情報、商談リストなどへ自動的に反映されるため、業務効率の向上にも役立ちます。
- スタンダード 月額11,000円
- ナレッジシェア 月額6,000円
- スケジュールシェア 月額3,000円
2.Senses
Sensesは、シンプルで使いやすいインターフェースに定評があるSFAです。機能性に優れているのはもちろん、誰でも簡単に使いこなせるシンプルな設計を採用しているため、現場に浸透し属人化も回避できます。
SFAではあるものの、リード創出や顧客管理まで幅広い業務をカバーできることが特徴です。さらに、AIを活かした案件のリスク分析や、類似案件のアドバイス機能など最先端の機能を実装しているのが特徴です。
- Starter 月額25,000円~/年契約
- Growth 月額100,000円~/同上
- Enterprise 月額300,000円~/同上
3.Kintone
Kintoneは、社内に散在する情報の集約や業務の可視化などを実現できるツールです。さまざまな業務アプリを複合的に組み合わせることができ、自社に合ったシステムを作成できます。しかも、操作はドラッグ&ドロップと簡単なので、誰でも自社の業務にマッチしたシステムを構築できるのです。
拡張性に優れているのも特徴です。カレンダーやWebフォーム作成など、専用の拡張機能サービスを利用できるほか、外部のクラウドサービス、アプリと容易に連携できます。料金プランは2つあり、スタンダードコースは30日間の無料お試しが可能です。
- スタンダード 月額1,500円
- ライト 月額780円
おすすめの最新ABMツール
BtoBビジネスを手掛けている企業なら、マーケティングにABMは欠かせません。特徴や料金を比較しつつ自社にマッチした製品を選びましょう。なお、Hubspotのように他ツールと連携することでABMの推進が可能なツールもあります。ここでは、サービス内容として企業情報の提供も含まれたツールを紹介しましょう。
- FORCAS
- uSonar
1.FORCAS
FORCASは、自社で保有している膨大な企業データベースに基づいた顧客分析を行っているサービスです。150万社以上の膨大な数のデータベースを誇り、自社の顧客情報と合わせて分析することで受注確度の高いターゲットを導き出せます。
簡単に顧客分析を行えることが特徴です。企業の情報をまとめたリストをExcelで作成し、アップロードするだけで自動的に分析をしてもらえます。しかも、分析結果は分かりやすくグラフ表示されるため、直感的に状況を把握できます。
Salesforceをはじめとしたツールとの連携に対応しているのも特徴です。他のツールで管理しているデータと連携させ、スピーディーな分析が可能です。なお、料金プランは公式サイトに記載されていないため、別途問い合わせが必要です。
2.uSonar
uSonarは、クラウド型の顧客データ統合ソリューションです。国内屈指の法人企業情報を搭載しており、自社の顧客データや取り引き先情報、活動履歴などと組み合わせて分析することでスピーディーにターゲットの選定が可能です。
あらゆるツールとの連携にも対応しており、データを一元的に管理できます。たとえば、SFAで管理している問い合わせ情報や活動履歴、MAのメルマガ登録情報、CRMの顧客情報などをすべて uSonarに集約して管理できるのです。各部門に散在していたデータを集約、統合することでシームレスな部門間連携が実現します。
なお、料金は直接問い合わせが必要です。
その他おすすめ最新ツール
CRMやSFA、MA以外にも、マーケティングの強化に役立つツールはあります。必ずしも導入する必要はありませんが、気になるものがあれば試しに使用してみるとよいかもしれません。
SNS分析:BuzzSpreader Powered by クチコミ@係長
SNSをはじめ、ブログや5ちゃんねる、ネットニュースなどの口コミを分析できるツールです。話題になっている口コミの推移や一緒に使用されているワードなどをチェックできるほか、どのような属性の人が投稿したのかまで分析が可能です。
また、膨大な量の口コミをスピーディーに分析できるのも特徴です。10のキーワードを同時に設定し、最大13ヶ月の期間における口コミの検索と分析を短時間で行えます。直感的に操作できるシンプルなデザインなので、使いこなせないといった心配もありません。
口コミの検索や分析を手動で行うとなると、相当な手間と時間を費やします。こちらのツールを導入すれば少ない手間で膨大な数の口コミを多彩な切り口から分析できます。
- 初期費用100,000円~ 月額13,000円~
アクセス解析:Google アナリティクス
Googleアナリティクスは、Googleが提供している解析ツールです。もっともポピュラーな解析ツールであり、無料で利用できるため金銭的な負担もありません。利用にあたってはGoogleアカウントが必要なので、事前に取得しておきましょう。
無料ツールであるにもかかわらず、多彩かつ優れた機能を実装しています。たとえば、リアルタイムレポートでは、現在Webサイトにどれくらいのユーザーがアクセスしているのか、どのページが閲覧されているのかをチェックでき、ユーザーの基本属性や滞在時間、直帰率なども把握できます。
Webサイト上におけるユーザーの行動を把握、分析できるため、サイト改善のヒントを見つけられます。たとえば、直帰率の高いページがどこか分かれば、タイトルやコンテンツを変更し改善につなげられるのです。
名刺管理:Sansan
Sansanは、名刺を電子化して管理できるクラウドサービスです。たとえば、取り引き先の担当者と名刺を交換したとき、スキャンすればクラウドに登録され、社内で情報を共有できます。
また、オンライン名刺機能を有しているのも特徴です。オンラインで活用できる名刺を作成でき、オンラインでやり取りしている相手にURLを伝えて名刺交換を行えます。
近年はリモートでのやり取りやオンライン商談が増えていますが、非対面ゆえに会話のきっかけが見つからない、といったケースは少なくありません。あらかじめオンライン名刺を作成しておき、相手に送信しておけば会話のとっかかりができ、信頼感アップにもつながります。
なお、SansanはHubspotをはじめ、Google Workspace、Microsoft Teamsなどとの連携が可能です。ほかにも、CRMやSFA、MAなどさまざまなツール、システムと連携できます。なお、料金は見積もり依頼により提案してもらえます。
マーケティングツールの選び方
さまざまなマーケティングツールがリリースされていますが、大切なのは自社の課題解決や目的の達成が可能なものを選ぶことです。それを踏まえたうえで、ツール選びのポイントを紹介します。
- ツールを導入する目的を明確にする
- 他のツールと連携可能か確認する
- ツールにかけられるコストや利用可能な人材を確認する
ツールを導入する目的を明確にする
目的を明確にすると、求めるツールが何なのか見えてきます。たとえば、顧客との関係維持がうまくいかないのならCRMを、リードの獲得や育成に課題があるのならMAを、といった具合です。
まずは、自社のマーケティングで表面化している課題や、達成したい目標などを洗い出してみましょう。そこから逆算的に必要なツールを検討します。
なお、安価で導入できいつでも解約できるツールなら、とりあえず試用してみるのもひとつの手です。実際に使いつつ、目的を達成できるかどうか検証してみましょう。
他のツールと連携可能か確認する
マーケティングツールに連携機能が実装されていると、さらに便利な使い方が可能です。MA・SFA・CRMは、それぞれ営業活動に活用できるマーケティング支援ツールですが、得意とするマーケティングや営業の領域が異なります。それぞれのツールが孤立したものではなく、マーケティング活動の一連の流れの各段階で支援をしてくれるツールなのです。同じネットワーク上で連携させることでデータの一元管理が可能になり、営業活動やマーケティング活動に役立てられます。
また、ツールの連携により部門間がシームレスに協業できるのもメリットです。各部門が保有するデータを共有できるようになり、シナジー効果を発揮してより成果につながるマーケティングが実現します。
MA・SFA・CRMの連携を進める必要性や4つのメリットを解説
マーケティングツールの連携の重要性については「MA・SFA・CRMの連携を進める必要性や4つのメリットを解説」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
ツールにかけられるコストや利用可能な人材を確認する
マーケティングツールは継続的に利用するため、初期費用だけでなくランニングコストもチェックしておきましょう。選択するツールにより発生するコストは大きく異なるため、事前の確認が必須です。
また、高性能なツールを導入しても、現場の人間が使いこなせないようでは意味がありません。あらかじめ従業員のスキルをチェックし、必要に応じて外部から採用するなど対処が求められます。
試用できるツールであれば、従業員が使いこなせるかどうか事前の確認が可能です。また、近年では使いやすさを重視したツールも多々リリースされているので、そのような製品を選ぶのもよいでしょう。
まとめ
マーケティングツールによりできることが決まっているため、マーケティング業務の何を強化したいのか、どのような課題を解決したいのかを明確にしたうえでツールの選定を進めましょう。機能や費用だけでなく、現場の人間が使いこなせるかどうかも、選定時における重要なポイントです。
- カテゴリ:
- マーケティングツール
- キーワード:
- MA