アトリビューション分析の実践

企業のマーケティング担当者の方で、リスティングなどによる効果測定に対して、限界を感じている方はいますか?

従来の効果測定の方法だと、直接効果しか計測できないため、間接効果を知りたいと思っても調査に限界が生じてしまいます。このような問題を解決するためには、アトリビューション分析を導入しなければいけません。これから、なぜアトリビューション分析を利用したweb効果測定をする必要があるのか説明していきたいと思います。

アトリビューション分析の幕開けとなる出来事

アトリビューション分析の概要について説明する前に企業で導入すれば、どんなことが実現できるのか具体的な事例をご紹介します。デジタルマーケティングを扱う企業としても知られるアタラ合同会社が下記のアトリビューション分析によるデータを発表しました。

  • ある企業は、バナー広告のために500万、リスティング広告に対して6000万円を投下していました。
  • 社内で導入しているアトリビューション分析を利用して、6000万円もあったリスティングの広告費用のうち、3000万円をバナー広告に配分しました。
  • コンバージョンを計測するツールによれば、9000件から13000件へと上昇することが分かりました。
  • 実際に、施策を実行すると13000件までは増加しなかったものの、以前よりもコンバージョン数が上昇しました。

従来のマーケティングでは、コンバージョンにつながった最後のクリックこそが、価値ある評価対象とされていました。つまり、ラストクリックこそが最重要視されてきたということです。

しかし、先ほどの事例から考察すれば分かるように、ラストクリックだけで評価し、予算を決定していくと最終的にアフィリエイトとリスティングしか1件あたりの獲得単価が正確な数値として見合わないことになります。この考え方が歓迎をもって受け入れられた結果、アトリビューション分析に対する見方が大きく変わっていきました。

アトリビューション分析とは?

施策を実行中にコンバージョンが発生した場合、そのコンバージョンに貢献した広告や媒体は、何なのかを分析することをアトリビューション分析と言います。

アトリビューションとは、日本語で「貢献」を意味しています。アトリビューション分析が広がる背景には、広告や媒体による広告効果をコンバージョンが発生したセッションのみに関連付けて評価するのではなく、それ以前のユーザーと関連付けることで評価できる技術が進歩し普及してきたことにあります。

効果測定でバナー広告とメルマガ、リスティング広告の3つの広告を経由することでコンバージョンに至った場合、アトリビューション分析を導入することで、下記のような分析方法になります。

直接効果による評価方法

コンバージョンに至る直前に、クリックされた広告を評価する方法で、従来のリスティングなどの広告運用で主流とされている計測方法です。

【1回目の訪問】→【2回目の訪問】→【3回目の訪問】

バナー広告   →メルマガ    →リスティング広告→コンバージョン

×        ×        ○

*ラストクリックが重視されるため、リスティング広告に限定して評価されてしまう。バナー広告やメルマガは、コンバージョンに貢献する媒体として評価されない。

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間接効果による評価方法

コンバージョンに至る直前にクリックされた広告に限定せず、それ以前にクリックされた広告も含めて間接効果を評価していく方法です。これが、間接効果を評価していくアトリビューション分析の計測方法です。

【1回目の訪問】→【2回目の訪問】→【3回目の訪問】

バナー広告   →メルマガ    →リスティング広告→コンバージョン

○        ○        ○

*ラストクリックに限定されることなく、バナー広告もメルマガもコンバージョンに貢献する媒体として評価される。

アトリビューション分析による販促コスト考察

直接効果による評価方法の最大の問題点は、Webマーケティングの効果測定を実施する上で、ラストクリックで使われた媒体しか評価できないということでした。

ラストクリックよりも以前に使われていた媒体を評価することができなかったため、多くの広告コストがラストクリックよりも以前に発生していても数値化できないという問題を抱えていました。

アドネットワークによる広告効果測定の問題点

アドネットワークの登場により、ビュースルーコンバージョンの計測が可能となりましたが、メディア間の重複が考慮されていないため、重複コンバージョンとして各メディアのレポートにカウントされてしまうという現象が起きていました。

Googleアナリティクスなどのインターネット広告のコンバージョンの計測には、クッキーが利用されます。例えば、画面にディスプレイ広告を表示すると、アドネットワークのクッキーがセットされます。

その後、リスティング広告をクリックし、ページに遷移するとリスティング広告のクッキーがセットされます。情報を整理するとセットされたクッキーは、ディスプレイ広告とリスティング広告であることが分かります。

2件のクッキーがコンバージョンとしてカウントされると、実際のコンバージョンが1件であるため、事実と異なってしまうということです。

3PASを利用したアトリビューション分析

アドネットワークによる広告効果測定で重複コンバージョンが発生していても3PASを利用したアトリビューション分析なら複数のメディアを横断しながら広告効果測定を実施することが可能です。

広告が表示されたタイミングで3PASからのクリエイティブを呼び出すことで、3PAS側に情報の蓄積ができるようになっています。この仕組みを利用すれば、複数のDSPで運用を行っていても、1つのシステムを使って広告効果測定を実行できるため重複コンバージョンを可視化することができます。

3PASを使ったアトリビューション分析なら、全てのメディアの成果を全体から一連の流れのあるデータとして把握できます。

アトリビューション分析のモデル例

今回は、アトリビューション分析の中でも、初心者が使いやすい成果配分モデルをご紹介します。

起点モデル(First Interaction model)

最初のタッチポイントをコンバージョンの要因とするモデルで。一般的に広告キャンペーンの掲載時や初期のブランド認知を目的として利用されます。

終点モデル(Last Interaction model)

起点モデルと違って、最後のタッチポイントをコンバージョンの要因とするモデルで、アドネットワーク以前と同様の評価方法となっています。まさに、ラストクリックを評価する方法なので、他のアトリビューション分析と比較する際に利用できます。

線形モデル(Linear model)

最も使いやすいアトリビューションモデルで、全てのタッチポイントを均等に評価し、コンバージョンの要因とするモデルです。

接点ベースモデル(Position Based model)

最初・途中・最後のタッチポイントの重要度を変えることでコンバージョンの要因を探るモデルです。特に最初と最後のタッチポイントを高く評価します。

減衰モデル(Time decay model)

コンバージョンに近いタッチポイントを高く評価するモデルで、販売サイクルが短い場合に利用されます。一般的に、期間限定の広告効果の分析を行う際に使われます。

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