CMSを利用するとサイトの作成や管理、コンテンツの作成などを簡単に行えます。本記事では、WordPressとHubSpot CMSに搭載された機能の比較を行い、最適なサービスを選ぶためのポイントを紹介しています。内容や料金を比較し、より自社に適したサービスを導入しましょう。
CMSでできること
CMSを導入することで、以下のようなさまざまなメリットが得られます。
- HTMLやCSSといったウェブの専門知識がない人でも簡単にサイトやブログのコンテンツを作成できる
- 簡単な操作で編集作業ができ、更新作業が楽になる
- ページの共通部分は自動で更新されるためデザインに統一感が出る
詳しいことはこちらの記事で分かりやすく解説しているため、CMSのメリット・デメリットを理解しておきたいという方はぜひご覧ください。
(https://www.leadplus.net/blog/benefits-of-cms.html)
注目のCMS、HubSpot CMS HubとWordpressを徹底比較
ここからは、HubSpot CMS HubとWorpressの違いについて解説します。それぞれの特徴を理解することで、自社で運用する場合にどちらが適しているか判断しやすくなるでしょう。
HubSpot CMS Hubとは
Hubspot CMS Hubは、HubSpot社が提供する月額定額制CMSです。クラウド型CMSでサービスの管理は提供会社のHubSpot社が行っており、自社でサーバーから導入したりメンテナンスしたりする手間が必要ありません。
直感的に操作できることを重視しており、ブログ、ランディングページ、チャットボットなどを専門知識がなくても簡単に作成・追加することが可能です。多言語サイトの管理や作成も得意としており、インバウンドマーケティングやセールスにも適しています。
分析に欠かせないウェブ解析機能やその他マーケティングツール、CRMツールも無料で利用できます。ビジネスに欠かせない機能が総合的に提供され、効率的にコンテンツマーケティングを展開していきやすいツールです。
Wordpressとは
Wordpressは、ブログやサイトを作成できるオープンソースのソフトウェアです。自社サーバーにインストールして運用する、もしくはサードパーティのホスティングサービスを利用して運用する方法があります。テキストや画像を使用したコンテンツを作成する機能などが利用できます。
WordPressを運用する場合、立ち上げや機能追加、メンテナンスなどはすべて自社で行う必要がありますが、その分膨大否種類のプラグインを活用したカスタムが可能です。数千種類にも及ぶ拡張機能を任意に追加することで、必要な機能をあとから自由につけ外しすることが可能です。例えば、問い合わせフォームや高度なSEOツール、自動バックアップ機能などを追加できます。
最適なCMSを選ぶコツ
自社に適しているCMSを選ぶ際に気にしておきたい、重要なポイントを紹介します。
必要としている機能があるかどうか確認する
CMSを導入する際は、機能を比較してより自社に適したものを選びましょう。HubSpot CMS HubとWordPressでは標準搭載されている機能やできること、得意なことが異なります。より効率的な運用を行うために、自社でやりたいことと相性のよいCMSを選ぶことが大切です。
ここからは具体的な機能を挙げながらCMSを比較していくので、自社にとってどちらが適しているかを判断する場合の参考にしてください。
ブログの作成・更新に役立つ機能
HubSpot CMS Hubは操作しやすいインターフェースが搭載されており、SEO対策、ブログのモバイル最適化機能が標準搭載されているため、別のツールを用意する必要はありません。ブログの作成や更新で役立つ機能を一覧化すると次のようなものがあります。
- ブログエディター
- 記事の予約投稿
- SNSへのシェア
- モバイル環境への最適化
- SEO支援
- Call to Actionの作成
- 共同編集
これらの機能を活用することで、SEO最適化、記事の投稿、成果の分析などを一つのパッケージで行えます。
WordPressはもともとブログ作成ソフトウェアとして誕生し、ブログの運営に必要なあらゆる機能を備えたCMSとして広く利用されています。ブログの外観は、提供されているテーマを使用することで簡単かつ自由に変更可能です。テーマに大きな変更を加えたい場合はコードの編集が必要になるため、開発者や知識のある人に依頼して変更する必要がありますが、自由度の高いレイアウト構築が可能です。
ランディングページの作成・更新に役立つ機能
HubSpot CMS Hubは、ランディングページの作成に必要な機能が初めからすべて搭載されています。テンプレートの種類も豊富で、それを元にして自分でカスタマイズすることも可能です。ランディングページの作成に便利な機能は、以下のようなものがあります。
- ドラッグ&ドロップでページ作成・フォーム作成
- テンプレートエディター
- テーマ
- ページ別CSS
- SEO支援
- A/Bテスト
- ページの適応型テスト
これらは簡単な操作でレイアウトが変更できる仕様で、特別な知識や技術者は必要ありません。ウェブチャットなどの高度な機能も、クリック操作だけで簡単に追加できます。
テキストコンテンツの作成が簡単にできるWordPressの場合は、ブログ記事を作る要領でランディングページも簡単に作成できます。ただしページのレイアウトを任意に変えたい場合は、ブログテーマの変更と同様にコードを編集する技術が必要です。また、ウェブチャットや入力フォームなど、別途ソフトウェアを追加することでさまざまな機能を追加できます。
ウェブサイトの作成・更新に役立つ機能
HubSpot CMS Hubには、WordPressと比べて技術的な手間を省略できるような機能が多数搭載されています。
- ブログエディター搭載
- ブログ記事の予約投稿機能
- テンプレートエディター搭載
- ドラッグ&ドロップ操作でページ作成
- 多数の種類があるテーマの利用
- ページ別CSS
- SNSへのシェア
- モバイル環境の最適化
- SEO支援
- Call to Action(CTA)の作成
- 共同編集
- A/Bテスト
- ページの適応型テスト
操作しやすいインターフェースが搭載されており、ブログ作成と同様にさまざまな分析を一つのパッケージで行えます。ページの作成・修正・新規要素の追加はドラッグ&ドロップの操作だけでできる仕様になっており、サイトデザインの大幅な変更が容易です。多数の種類があるテーマをサイトデザインとして適用すれば、カスタマイズ不要で利用することもできます。
WordPressはCMSの中でも知名度が高く、ユーザー数が非常に多いソフトウェアです。そのため、サイトの外観は、公式や技術のあるユーザーが作成したテーマをインストールすることで自由に変更できるというメリットがあります。分かりやすい操作で使えるため、テキストベースのコンテンツを簡単に作成可能です。ただし、前述の通りサイトのレイアウトを大きく変更したい場合はコードを編集する必要があり、専門知識が必要になります。
SEOに役立つ機能
HubSpot CMS Hubには、SEOツールが初めから組み込まれています。プラグイン式とは異なり、追加することでセキュリティ性が低下するリスクがありません。作成したウェブサイトやページを検索エンジンに最適化するのに役立ちます。
WordPressでも、システム内にプラグインを入れることでSEO機能が活用できます。プラグインは有料・無料のものがあり、機能性はそれぞれ異なります。無料でも高性能・多機能なものがあるため、コストをかけずに利用することも可能です。ただ、プラグインは追加すればするほどセキュリティ強度が低下するため、入れすぎないよう気をつける必要があります。
ウェブサイトのパフォーマンスを可視化する機能
HubSpot CMS Hubには、サイトのパフォーマンスを測定し、分析するためのアナリティクス機能など必要なものが含まれています。さらに、無料で提供されているHubspot CRMを活用することでさらに高度な分析を行ったり、コンタクトリストを作成したりなどの顧客管理が可能です。
WordPressには、ページ閲覧数などを確認できるレポート機能が含まれています。HubSpot CMS Hubの機能に比べると簡易的なものであるため、詳細に分析を行いたい場合は別の方法が必要です。
例えば、有料分析ツールや無料で利用できるGoogleアナリティクスなどを個別に用意し、連携して活用することで分析に役立てられます。しかし、それぞれのツールの連携が不十分だった場合、データの取りこぼしなどが起きてしまうため、運用前にしっかりと確認を行いましょう。
自社で運用できるかどうか検討する
せっかくCMSを導入しても、使いづらくて活かせなければ意味がありません。ここからは、それぞれのCMSについて使いやすいかどうか、サポートが手厚いか、セキュリティ対策はどうなのかといった観点で比較していきます。
使いやすさ
HubSpot CMS Hubは専門知識がなくても利用できる仕様になっており、自社だけでメンテナンスや新要素の追加などが行いやすくなっています。ただし、海外製のツールであるため、英語に苦手意識がある場合は使いにくいと感じる可能性があります。
WordPressはPHPというプログラミング言語で構成されているソフトウェアで、簡単にホームページを作ることができます。しかし、レイアウトの大幅な変更や要素を追加したい場合、PHPの知識がある場合とない場合では、仕上がりが大きく異なってきます。もしPHPを扱える技術者がいない場合は、他の専門業者に依頼して機能やデザインを作ってもらう必要があるといえるしょう。
サポート体制
HubSpot CMS Hubには、利用プランに応じたテクニカルサポートが用意されています。例えば、ProfessionalやEnterpriseプランであれば、Eメール、チャット、電話でのサポートがあり、必要なときに受けられます。
WordPressのサポートには、WordPress Codexがよく利用されます。公式オンラインマニュアルとされていますが、WordPressユーザーの有志が編集しているマニュアルです。多くの個人が持つ情報を蓄積したもので、技術的なトラブルを解決する様々な方法が掲載されています。マニュアルを見ても解決しない場合は他の窓口がないため、ウェブサイトの制作会社などに相談しましょう。
セキュリティ対策は万全か確認する
WordPressはオープンソースCMSという都合上ソースコードが公開状態になっており、システム構造が誰にでも分かるようになっています。システムを解析しやすいため、ハッキングなど悪意のあるサイバー攻撃をされやすいのが弱点です。そのため、安全性を高めるためのセキュリティ対策が欠かせません。WordPress Codexの「Wordpressの安全性を高める」に記述されている対策を行うなどの対応をしっかりと行いましょう。
HubSpot CMS Hubはクラウド型のCMSであり、セキュリティ対策はサービスの提供者側が行います。導入側がセキュリティ対策を行う必要はなく、自社の事業にのみ集中することが可能です。また、HubSpotでは常にアプリの挙動を監視し、データ障害に備えるためのバックアップ体制も築いています。
料金体系を比較する
ここからは、導入や運用にかかる費用面に注目し、それぞれのCMSを比較してみましょう。
HubSpot CMS Hubの料金体系
HubSpot CMS HubにはProfessionalとEnterpriseの2種類のプランがあり、料金は以下のとおりです。
・Professional
月額払い:36,000円(年間432,000円)
一括払い:388,800円(ひと月あたり32,400円)
・Enterprise
ひと月108,000円、年間1,296,000円
Professionalプランは、月額払いと一括払いのどちらかを選択可能で、追加課金の必要はありません。契約したプランで使える範囲の機能のみを利用でき、使える機能が最も多いプランはEnterpriseです。両プランとも14日間無料でトライアルができます。
Wordpressの料金体系
Wordpressで契約できるプランは以下のとおりです。それぞれ月額と年額支払いを選択できます。
無料プラン:無料
パーソナル:ひと月あたり500円(年間6,000円)
プレミアム:ひと月あたり900円(年間10,800円)
ビジネス:ひと月2,900円(年間34,800円)
eコマース:ひと月5,220円(年間62,640円)
オープンソースのサービスであるため、無料で使うことも可能です。無料含めどのプランにもホスティングサービスが付属します。SEOツールを使用したい場合やプラグインを使用する予定がある場合は、マーケティングツールとビジネスクラス機能に対応するビジネスやeコマースプランがおすすめです。
決済や配送料、製品販売ストアが必要ならeコマースプランで専用機能を利用できます。HubSpotと同等の機能を整えたいと考えているなら、有料プラグインや有料テーマなどを別途課金する必要が出てくるでしょう。
まとめ
HubSpot CMS HubとWordPressを比較したときの特徴は以上のようなものになります。費用が安くすむのはWordPressですが、必要な機能を追加するために有料プラグインなどを利用していくと、HubSpot CMS Hubと同じぐらいの費用が必要になる可能性もあるでしょう。両者のCMSの特徴をそれぞれ比較検討した上で、自社にとって最適な方を選ぶことが大切です。
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