UXとは|UIとの違いや、コンテンツマーケティングにおける考え方を解説

「UX」という言葉がビジネスにおいて頻繁に使用されるようになってからしばらく経ちますが、その意味が未だに曖昧だという方は少なくないようです。

そもそも意味がフワッとしていて分かりづらかったり、「UI」と混同していたりと確かに理解が難しい言葉かもしれません。

そこで今回は、ちょっと理解しづらいUXを分かりやすく解説していきます。

また、UXとはWeb業界における専門用語と認識している方が多いと思います。しかし実は現代ビジネスにおいて広い分野で使用されている用語なので、是非今回の解説でUXに対する理解を深めてください。

UXとは

まず、UXとは「User Experience:ユーザエクスペリエンス」の略語であり、日本語に訳すと「ユーザー体験」となります。しかし一言で「ユーザー体験」と言われても「一体なにが体験なの?」と疑問になりますね。実は一番分かりやすい例が、皆さんご存知ディズニーランドです。

ディズニーランドでは訪れた人々に対し様々な“体験”を提供しています。

  • まるでスクリーンの中にいるような世界観を感じた
  • 好きなキャラクターと触れ合えて感動した
  • ディズニーの成果移管を前面に出したグッズが手に入った
  • 華やかなパレードに心がワクワクした
  • シーズンごとのイベントが楽しめた
  • スタッフが丁寧に対応してくれたので気持ち良く過ごせた

上記の他にもディズニーランドを訪れた人々は施設内で様々な体験をすることができます。このように、サービスを利用したり製品を購入することでユーザーが得られる体験がUXなのです。

UIとの違い

UXとよく混同されがちなのが「UI(ユーザインターフェース)」ですが、2つの違いを明確にしておきましょう。

UIとは「User Interface」の略語であり、日本語にすると「ユーザー接点」となります。つまり、サービスや製品においてユーザーが接する部分や目にする部分全てがUIです。先ほどのディズニーランドの例をあげると、UIは以下の通りになります。

  • 施設自体のアトラクションや外観
  • ファストパスなどのサービス
  • レストランや露店で提供されている商品
  • アトラクション待ち時間の表示

などなど、体験であるUXに対しUIはビジュアル面や機能面というと分かりやすいかもしれません。ちなみにUXは広義では上記のような要素も含んでいるので、「UXはUIを内包している」と考えることもできます。

では、どちらがビジネスにとって重要か?と言うと、現在ではUIよりもUXが重要視されています。というのも、例えUIが優れているサービスや製品でもユーザーが得られる体験に満足できなければ意味はないからです。

極端に言えばどんなにディズニーランドがスクリーンの中の世界観を表していても、スタッフの対応が粗悪なものならせっかくの世界観も台無しですし「また来よう」とは思いませんね。反対にUIが多少優れていなくとも、ユーザーがサービスや製品を通じて得られる体験に満足すればそれはそれで問題ないのです。

HCDとは

あまり一般的には浸透していませんが、UXに類似したものとして「HCD(Human Centered Desigth)」という言葉があります。これは日本語にすると「人間(ユーザー)中心のデザイン」と訳されるのですが、いわばユーザー視点にたってデザイン制作の意味です。

このユーザー視点という部分にユーザーの体験が含まれているので、意味としてはUXとほぼ同義となります。ちなみにこのHCDは国際規格であるISO(世界標準化機構)13407で定義されており、ユーザービリティ(ユーザーの利便性)を確保するものとして定められています。

つまりUXは世界規格で定義されるほど重要だと捉えることもできますね。

UXとビジネスの深い関わり

「UXが利益を生み出す」ということで、最近では様々なビジネスシーンでUXの重要性が高まっています。

例えば、通常ならば1缶120円のジュースを高級ホテルのレストランで注文したとします。価格は1杯1,000円程度と通常の9倍近い価格にも関わらず、誰もそこに違和感や不満を抱くことはありません。なぜならこれは「高級ホテルのサービスを受けている」という体験があるからですね。

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ホテルを訪れた人々や光が反射するほど磨きあげられたフロアや、見ただけで高級感を感じさせるオブジェなど、ホテル内で目にするもの全てが「高級ホテルを利用している」という体験を感じさせます。

そしてその体験に対する満足が大きければ大きいほど、通常120円のジュースに1,000円を支払う価値があると判断するのです。

このように、UXとビジネスには深い関わりがあり、UXを充実させることで顧客のリテンションやLTV(※1)の向上を実現することができます。

※1:LTVとは「Life Time Value(顧客生涯価値)」の略であり、一人の顧客がサービスや製品を利用している期間を通じて企業にもたらす利益のこと。

コンテンツマーケティングにおけるUX

ユーザーの行動が多様化するにつれ、「ユーザーから自発的に見つけてもらう」というコンテンツマーケティングが数年前から盛んに行われています。企業ホームページやオウンドメディア、動画配信など様々な施策が展開されていますが、いずれも重要なのはやはりUXです。

オウンドメディアを例に挙げると、企業ブログのコンテンツを見てユーザーが得られるUXとは「情報がためになった」や「コンテンツが面白かった」といった、コンテンツ中心になります。

また、動線設計がしっかりとなされていてWebサイト構造が分かりやすいといった項目も介入してきますね。

ユーザーがコンテンツに価値を感じたり、Webサイトが使いやすいと思えば自然とリピーターが増えます。つまりUXを改善していくこで「成果の上がるWebサイト」に仕上がるということです。

では、コンテンツマーケティングにおいてUXを向上させるためには何が重要なのでしょうか?

ぺルソナ作成

皆さんペルソナという言葉をご存知ですか?

ペルソナとは架空に作り上げたユーザー像であり、自社サービス・製品を購入する理想的な顧客像とも言い換えることができます。コンテンツマーケティングにおいてペルソナ作成はターゲットを絞り、マーケティング効果を最大化するためのとても重要な要素です。

そして、UXの向上のためにも実は重要なんですね。

UXの評価はつまるところ「ユーザーがどのように感じるか?」で決定されます。ですので、ユーザー視点に立って「どんなことをすれば喜ばれるか?」を考えればいいような気がしますが、物事の感じ方は人それぞれです。

つまりディズニーランドを楽しいと感じる人も「USJの方が楽しい」と感じる人もいるので、万人が満足するUXを提供することはまず不可能となのです。

このため、単純にユーザー視点に立って考えるのではなく、ペルソナを作成しターゲットを絞った上で考える必要があります。作成したペルソナをもとに「どんなことをすれば価値のある体験をしたと感じてもらえるか?」と考えることで、UXを効率的に高めることが可能です。

カスタマジャーニーマップの作成

ペルソナに続いて重要となるのが、カスタマージャーニーマップの作成です。インターネットやPC・スマホの普及により購買プロセスかなり多様化し、ユーザーと企業のタッチポイントが複雑化しています。

UXの向上を図るためにはこのタッチポイントを正確に把握し、適切なタイミングでサービスを届ける必要があるのです。このタッチポイントを明確にするのがカスタマージャーニーマップであり、様々な情報をもとに作成していきます。

Webサイト内におけるユーザーの行動や、Webサイトに訪問するまでの行動など、予め予測が立てられればベストなタイミング「体験」を提供することができますね。

ちなみにペルソナとカスタマージャーニーはセットのようなものなので、どちらもUX向上には欠かせない要素です。

ちなみにWebサイトにおけるUXとは「デザインがお洒落」「Webサイトの構造が分かりやすい」といった表面的な部分から、「FAQが設置されていて疑問点が解消された」「サービス利用までの時間が迅速だった」といったサービス的な部分を指します。

もちろんコンテンツマーケティングにおけるUXは様々であり、効果的にUXを向上させることができればファンを獲得しWebサイト本来の目的を達成するための重要な要素となるでしょう。

まとめ

以上が今回のUX解説となります。UXの定義自体フワッとしている部分があるので理解しづらいこともありますが、今回の解説で理解して頂けたのならば幸いです。

様々な業界で働いている方々が当ブログをご覧頂いているかと思いますが、恐らくその全ての業界においてUXは非常に重要な存在となります。

なぜなら、どんなサービス・製品でも何かしらの体”をユーザーに提供しているからです。体験の内容は各々異なりますが、体験を提供している以上UXという言葉を理解し意識することが必要なことですね。皆さんのビジネスを大きくするためには欠かせないものと言ってもいいでしょう。

今回の解説を機に、UXについて深く考えてみてはいかがでしょう?

自社のサービス・製品はユーザーにどんな体験を与えているか?また、それを改善するためにはどうすればいいのか?ユーザーに「体験を提供する」という視点からビジネスを考えると、意外と今まで見えていなかったことが見えてくることがあります。

そうして得られた気付きは、必ず皆さんのビジネスを大きく成長させるヒントになり得るのではないでしょうか。今後さらなる成長に向け、是非ともUXについて考えてみて欲しいと思います。

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