オンラインマーケティングとは?重要性や事例、具体的手法を徹底解説
インターネット上で行うマーケティングがオンラインマーケティングですが、このオンラインマーケティングに取り組む企業が増えています。本記事ではオンラインマーケティングの重要性や具体的な手法について解説しています。
オンラインマーケティングとは?
オンラインマーケティングとは、インターネットを使ってインターネット上で行うマーケティングのことです。具体的には、インターネット検索エンジンの検索結果に連動するリスティング広告やWebセミナー、ウェビナーの開催、オウンドメディアの運用、SNSを使った情報発信やSNSでの広告などがこれに該当します。
これに対して、インターネットを使わないで行うマーケティングには、印刷したダイレクトメールの配送、チラシの配布、電話営業、テレビCMなどがあり、こちらはオフラインマーケティングと呼ばれます。
最近ではマーケティングを主にオンラインで行う企業が増えています。TIS株式会社が2015年時点で企業の担当者300人を対象に実施した「デジタルマーケティングに関するアンケート」によると、「とても重要」「どちらかと言えば重要」という回答がこの時点ですでに95%以上でした。また、オンラインマーケティングツールの「ferret One」を運営する株式会社ベーシックが2020年6月に行った「新型コロナウイルスの感染拡大によるWebマーケティング活動の変化に関する調査」によると、コロナ禍に伴いマーケティング施策の変更を検討している企業は7割近くにのぼっています。このように、多くの企業がオンラインマーケティング、デジタルマーケティングの重要性を理解し、具体的な取り組みを進めているのです。
オンラインマーケティングの重要性
オンラインマーケティングが重要になっている理由のひとつに、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で、顧客と対面で接点を持てる機会が減少していることもあります。自社の従業員と顧客の感染リスクを下げるために、多くの企業が非対面の営業活動にシフトせざるを得なくなっているのです。会場に人を集めて行う展示会や大人数でのセミナーは開催しづらくなり、感染拡大のピーク時には顧客のもとへ直接足を運ぶ営業手法も困難になる状況が続きました。こうした直接の対面が制限される状況でも顧客との接点を保ち、アプローチを行う手法としてオンラインマーケティングが一層の注目を浴びたのです。
働き方改革の推進に加え、感染症対策も加わり、テレワーク、リモートワーク体制にシフトする企業も増えています。ですから、企業の社屋に足を運んでも担当者に会えないことも増え、オンラインでアプローチする手法がより求められるようになっています。
オンラインマーケティングが企業にもたらすメリット
オンラインマーケティングが企業にもたらすメリットは多々あります。対面の営業活動に伴う交通費などのコストが削減や、マーケティングの分析データが得やすいことなどが挙げられます。
営業コストを削減できる
オンラインマーケティングは、インターネットを介して顧客にアプローチする手法であるため、対面の営業活動で発生する交通費などのコストや移動にかかる時間が削減できます。
また、オンラインマーケティングでは、訪問スタイルの営業に比べ、担当者1人あたりで対応できる顧客数が増やせるのもメリットです。このため、今までよりも少ない人員でより多くの相手に営業活動を展開できるので、人件費の削減につながります。
訪問営業による移動時間を削減できる
オンラインマーケティングでは、物理的な移動を伴わない分、ターゲットの範囲を拡大できる可能性も高まります。オンライン会議システムを利用すれば、離れた場所にいる顧客とオンラインで商談を行うことが可能で、そこに移動時間は発生しません。営業担当者が移動に充てていた時間は、いわば利益を生まない時間ともいえます。営業担当者の移動時間を削減して、顧客へのアプローチに使うことができれば、対応できる顧客の数も増やせますし、顧客ひとりひとりに合わせたきめ細やかな対応も可能になるでしょう。
もちろん、移動をなくすことで営業担当の身体的な負担を減らすこともできます。営業車での長距離移動が続けば、集中力の低下で思わぬ事故を招くこともあるでしょう。移動をなくすことで、こういった事故のリスクを軽減できるのもオンラインマーケティングのメリットです。
顧客データによるターゲティングが可能
オンラインマーケティングには、マーケティングの効果や顧客に関する各種のデータを取得しやすく蓄積、分析もしやすいというメリットもあります。こうして集めたデータの分析を行い、結果を可視化して施策に反映させることで、より正確なターゲティングが可能になります。
営業活動においてターゲティングは重要です。可能性が高い顧客を絞り込まず、手当たり次第に商品やサービスの売り込みを行っていれば、無駄な営業コストがかさみます。しかし、ニーズの高い層をターゲットとして絞り込んでアプローチすれば、効率的にマーケティングを展開でき利益増につながります。特に、Webのリスティング広告やSNS広告の運用成果を高めたいなら、データに基づいた適切なターゲティングが非常に重要です。データ分析をもとに、自社の商品やサービスに需要がある層、ターゲットにふさわしい層に絞ってWeb広告やSNS広告を打ったり、求めるターゲットを集められるようなSEO対策をオウンドメディアで行ったりすることで、より大きな成果につながりやすくなるのです。
商圏が広がる
オフィス内で実行できるオンラインマーケティングでは、立地や地域性にしばられることなく商圏を拡大できます。インターネットを介せば、日本国内にとどまらず、世界を視野に入れてビジネスを展開できるのです。
店舗を構えて営業している雑貨店のケースで考えてみましょう。店舗販売では店舗のある地域と近隣エリアからの集客が中心です。しかし、店舗販売とオンライン販売を並行して行えば、商圏が一気に広がります。ブログやSNSで商品の魅力を発信すればファンも増え、利益拡大にもつながるのです。
こうしてターゲットの範囲が広がれば、より多くの顧客と接点を持てるようになり、さらに口コミで評判が広がっていくといった商圏拡大の好循環も期待できます。
オンラインマーケティングの具体的な手法・種類
オンラインマーケティングの具体的な手法には、オウンドメディアの運用やSEO、オンライン広告、SNSなどがあります。それぞれの手法の特徴やメリット、デメリットについて確認していきましょう。
オウンドメディア運用とSEO対策
インバウンドマーケティング体制の構築にはSEO対策を意識したオウンドメディアの運用が必須です。自社商品やサービスに興味を抱いてくれそうな消費者が興味を持つコンテンツを絞り込み、サイトの閲覧数と問い合わせ数を増やしてより多くのリードを獲得していくことがSEO対策の目的です。
SEO対策を行った上で、オウンドメディアで大切なポイントは良質なコンテンツの作成と掲載です。商品の宣伝とは直接関係がない内容で、アクセスしてきたユーザーの悩みや課題の解決に役立つ内容や不安を解消できるコンテンツを作成すれば、顧客の立場に立って課題解決を手伝ってくれる好ましい企業というイメージを与えることができます。
また、ユーザーの役に立つ有益なコンテンツを数多くそろえることは、それ自体がSEO対策としても有効です。検索エンジンのアルゴリズムは常に改良されているので、ページ内にキーワードを大量に盛り込んで上位表示を狙うといった古典的なSEO対策を行うと、現在ではむしろ検索順位が下がるようになっています。現在の検索エンジンはコンテンツの質を重視する方向にシフトしており、有益な情報を掲載することが最も効果的なSEO対策でもあるのです。
ですから、オウンドメディアのコンテンツを作成するなら、ユーザーにとって有益な内容になっているか意識しなくてはなりません。有益なコンテンツが豊富で、現代の検索エンジンにも高く評価されるようなオウンドメディアであれば、自然とアクセス数も増えて、問い合わせ数や注文数の増加が期待できるでしょう。
オンライン広告運用
オンライン広告とはインターネット上に表示される広告のことです。オンライン広告にもさまざまなバリエーションがあり、検索結果に連動するリスティング広告、成果報酬型のアフィリエイト広告、メールマガジン、SNS上の広告などが代表的です。それぞれ特徴や得意分野が異なります。運用を始める前によく確認しておきましょう。
また、複数のアフィリエイトサイトやSNSに一括して広告を配信するアドネットワークやDSPなどの便利な仕組みも登場しています。オンライン広告を効果的に使えば、リードの獲得や売上増加などが見込めます。また、ブランドの認知度を高めるブランディング効果も期待できます。
オンライン広告の魅力のひとつに、テレビCMや新聞折り込みチラシなどに比べて低コストで運用しやすいという点があります。クリック課金型の広告なら、クリックされたときのみ広告費が発生する仕組みであるため、よりリーズナブルです。
また、オンライン広告はターゲットを絞って配信できるのもメリットです。顧客の属性や行動データなどに基づいた細かいターゲティングも可能で、効率的な集客を実現できます。
SNSアカウントの運用
TwitterやFacebook、Instagramなどの企業アカウントを開設して運用すれば、認知度のアップやフォロワーのファン化、問い合わせ数増加などの効果が期待できます。
また、ユーザーの距離を縮めやすいのもSN運用のメリットです。SNS上では気軽にコミュニケーションを取りやすいので、親近感や良い印象を抱いてもらえる可能性も高まり、そこから商品の問い合わせや注文につながるケースは十分考えられます。
また、ターゲット層のダイレクトな意見や感想を効率よく収集できるのもメリットです。SNSで集めた顧客のリアルな感想は商品やサービスの改善に大いに役立つでしょう。
ただ、SNSごとにメインユーザー層の年代や特徴が異なるため、その点には注意が必要です。どのような情報を誰に向けて発信するのかを明確にして、自社のターゲット層に合ったSNSを運用しましょう。また、SNSは良い情報を広めやすいという利点がありますが、ネガティブな情報も同様に拡散されやすいということにも注意しておきましょう。
ホワイトペーパー資料の作成
ホワイトペーパー資料とは、サービスに関する資料や業界レポート、事例集など顧客の役に立つ資料のことです。BtoBであれば業務改善のノウハウ集やウェビナー講演録、商品の比較解説などが考えられます。
こうしたホワイトペーパーを、自社のWebサイトでダウンロードできる仕組みを作り、リードの獲得を目指します。このとき、ダウンロードの条件として氏名や勤務先、メールアドレスなどの情報をフォームに入力してもらい、顧客情報の収集も行います。
基本的に、フォーム入力を経てホワイトペーパーをダウンロードするユーザーは、自社の商品やサービスに少なからぬ関心を抱いていると考えられます。ですから、取得した顧客情報をもとに、ステップメールやメルマガ配信などでアプローチを続ければ、購買につながる可能性が高いのです。
このように、ホワイトペーパーの作成と公開は良質なリードの獲得に非常に役立つもので、取得した情報をもとに顧客を育てるナーチャリングも行えます。ダウンロード時のフォーム入力で項目が多すぎると、煩わしさから敬遠されたり、警戒されたりする原因になるので注意も必要です。
オンラインセミナーの開催/共催
オンラインセミナーの開催や共催でリードの獲得やブランディング、顧客のファン化、リピーター化を目指せます。テーマとしては自社商品やサービスの魅力の発信や、ターゲットの悩みや課題の解決に役立つような内容が考えられます。
オンラインセミナーの大きなメリットに会場の確保が不要であるという点があります。遠隔地のターゲットにも参加してもらえますし、オフラインセミナーに比べて開催コストも抑えられます。
ウェビナーは顧客の育成にも活用できます。大勢のリードへ一括で情報を伝えて、双方向コミュニケーションもできるので、ナーチャリングの手段としても有効です。
さらに、他社とセミナーを共催して相乗効果で集客の最大化を狙うことも可能です。共催なら自社のメインターゲット層以外もセミナーに参加するため、今まで接点がなかった層を取り込める可能性があるのです。
オンラインマーケティングを成功させるポイント
では、オンラインマーケティングを成功させるポイントについて詳しくみていきましょう。
ペルソナを意識したカスタマージャーニーを明確にする
カスタマージャーニーとは、顧客が自社の商品やサービスを認知し、購買にいたるまでの道のりを指す言葉です。カスタマージャーニーを明確に描き出すことで、顧客の行動や感情の変化を具体的に把握してマーケティングの施策に落とし込みやすくするというわけです。
カスタマージャーニーで顧客のフェーズごとの感情、行動を図にして可視化したものがカスタマージャーニーマップで、カスタマージャーニーを把握するにはマップの作成が有効です。カスタマージャーニーマップに従って、ある顧客がマップの特定の位置にいる場合、自社はどのような働きかけを行うべきか、そのポイントでの課題は何かといったことも把握しやすいので、適切な施策につながります。マップの作成では、対象となるペルソナの設定を正確に行いましょう。実際に存在している人物を想定してリアルに設計することで、戦略が立てやすくなり、施策も成功しやすくなります。
PDCAをすばやく回す
取得したデータを分析し、課題を抽出して改善、再度検証→課題の抽出→改善というPDCAサイクルをスピーディーに回すことも成功のポイントです。PDCAサイクルをスピードアップするには、データを集約して、分析やレポート作成が自動化できる環境が必須です。ツールやシステムを導入し、データの一元管理やレポート作成の自動化が可能な環境を構築しましょう。
また、PDCAの基準となるKPIの設定も必要です。アクセス数、フォームへの誘導率、フォームからのコンバージョン(CV)率の3つをKPIとしてチェックしつつ、どこに課題があるか、どうすれば目標のKPIを達成できるのかを考えましょう。
CRM/SFA/MAツールを導入する
CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)、MAツール(マーケティングオートメーション)などを導入すれば、オンラインマーケティングがより効率的に行えるようになります。
CRMは顧客情報を一元管理するツールで、顧客の属性や行動履歴、これまでやり取りした情報などを管理できます。関係部門で情報を共有して、個々の顧客に最適なサポートを行えることを目指しています。
顧客を基本単位としてデータを収集整理するCRMに対し、営業活動を軸にしてデータを収集整理するのがSFAです。SFAの目的は顧客情報の管理や商談の進捗、担当者情報などを可視化して、適切な営業戦略につなげることです。SFAの活用で優秀な担当者が保持しているノウハウや知見も共有できるようになります。
MAツールは、リード管理やメール配信、スコアリング機能などを自動管理できるツールです。リードの状況に合わせて適切な施策を選び出す機能などもあり、効果的なマーケティングを展開するのに便利です。
CRM、SFA、MAツールとも各種の製品がリリースされており、それぞれ機能や操作性、メリット・デメリット、運用コストなどが異なります。導入前にさまざまなポイントを比較して、自社に合った製品を導入しましょう。無料トライアルがあれば、事前に機能や操作性を確認できるので試してみるとよいでしょう。
オンラインマーケティングの成功事例
オンラインマーケティングに取り組む前に、成功事例に目を通しておきましょう。他社の取り組みと成果を知り、自社の取り組みの参考にしましょう。
SEO対策による成功事例
マーケティング関連ツールやサービスを提供しているA社は、コンテンツSEOを中心に取り組みを行い、効率的なリードの獲得に成功しています。公式サイトでは無料のお役立ち資料やノウハウ、インバウンドの手法など、マーケティングに役立つ有益な情報を発信しており、オンラインを介したリード獲得の割合は7割を超えています。また、 マーケティングに役立つレポートやホワイトペーパーのebookをダウンロードで提供することにより、リードの情報を取得しています。
この好循環を支えているのは、SEO対策を行った良質かつ豊富な学習用コンテンツの発信です。良質なコンテンツで検索順の上位表示を実現し、アクセスを増やすことに成功しました。基本に忠実なSEO対策をストレートに行ったことがオンラインマーケティングの成功につながっています。
MAツールによる成功事例
電子部品メーカーであるB社は、プロモーション活動における担当者間の連携に課題を抱えていました。そこで、MAツールを導入し、リードの育成とプロモーション活動の連携強化を図りました。まず、MAツールを使って顧客行動を可視化しデータベース化しました。その内容をもとに、確度の高いリードを商談につなげるためのプロセスを編みだし、ナーチャリングを通した優良顧客の絞り込みなどにも取り組みました。
MAツールの運用を続けるうちに、従来の営業手法では通じない面があることを理解しつつオンラインのコンテンツを充実させる必要性に気づき、オンラインのコンテンツを増やしてリードを育成しつつ適切なアプローチを行うようになりました。このような取り組みを続けた結果、分断していたプロモーション活動の連携がとれるようになり、顧客管理の効率化が実現しました。
資料請求などリード獲得施策による成功事例
ITソリューションサービスを展開しているC社は、サイトをリニューアルして効率よくリードを獲得できる仕組みを構築し成功しました。自社のWebサイトは以前からありましたが、あくまで情報を発信するためのツールとしての運用でした。このWebサイトを効果的なリード獲得のためのツールとして活用できるように、資料請求の問い合わせフォームやページ内の導線の見直しを行いWebサイトをリニューアルしました。このリニューアルで資料請求数が1.5倍程度増加するだろうと見込んでいたところ、実際には約7倍の請求があり、想定をはるかに上回る結果になったのです。一方的に情報発信するためのツールから、リードを獲得するためのツールに目的を変更し、ユーザーの使い勝手にも配慮してサイトを作り替えたことが大きく実を結びました。
まとめ
オンラインマーケティングを実施することで、営業コストの削減や商圏の拡大などさまざまなメリットを得られます。この機会に取り組みを始めてはいかがでしょうか。
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