検索キーワードから紐解く業界分析:クラウド契約編

検索キーワードから紐解く業界分析シリーズ:クラウド契約編

検索キーワードから紐解く業界分析シリーズ:クラウド契約編

デジタルマーケティングにおけるテクノロジーの発展に伴い、サイトやユーザー分析の手法は日進月歩で進化しています。しかしながら、カスタマージャーニーやUI/UXがフォーカスされる一方で、業界や市場全体の動向を追跡するような「マクロ視点」のスキームは取りざたされることが少なくなっているのではないでしょうか。

「木を見て森を見ず」

と言われるような状況に陥らないよう、本シリーズでは様々なデータから「業界」や「市場」といった大枠のトレンドを分析し、戦略に落とし込んでいくための手法を紹介、解説していきます。

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今回取り上げるのは電子契約サービスです。

■SimilarWeb(シミラーウェブ)とは
シミラーウェブは、世界中から収集したウェブサイト上での匿名の行動データやパートナー企業からの分析データ、独自のクローラーによって収集した広告データ/Meta情報などと併せて機械学習を介することで、精度の高いウェブのトラフィックデータを提供しています。通常の解析ツールでは取得できない競合サイトのアクセスデータを統計的に分析することができます。

「クラウド契約」業界動向

業界全体のトラフィック動向

企業におけるDXの推進や新型コロナ感染対策としてのリモートワークの推奨、さらに2021年9月に施行されたデジタル改革関連法では、行政手続きにおける「押印・書面化義務の廃止」が盛り込まれたことで、すべての契約業務がオンラインで実行できる電子契約サービスの利用が急速に浸透しています。日本企業に深く根付いたハンコ文化がここ数年で生じたビジネス環境の変化で大きな転換を迫られたわけですが、主要な電子契約サービス事業者のサイトへのトラフィックや検索キーワードから、この業界で何か起きているのか、どのようなプレイヤーが業界をリードしているのかなどを明らかにします。

まず、電子契約サービス業界全体のトラフィックから見てみましょう。主要な電子契約サービスサイト(16サイト)をカスタムカテゴリとして登録することで、全体のトラフィックの動向を見ることができます。

下の画面が、過去3年間のカスタムカテゴリ全体のトラフィック推移を示したものです。3年間で大きく伸びているのは明らかです。6月単月の合計セッション数で見ると、249,052(2019年)⇒888,792(2020年)⇒2.084M(2021年)⇒2.506M(2022年)と推移しており、この3年でトラフィックは10倍に拡大しています。電子契約サービスに対する関心度が急速に高まり、ツールの利用も浸透してきていることを示すデータといえそうです。

主要電子契約サービス14サイトのカスタムカテゴリのトラフィック推移
※ シミラーウェブ「業界のトレンド」 - 主要電子契約サービス14サイトのカスタムカテゴリのトラフィック推移(2019年7月〜2022年7月、デスクトップ+モバイル) データソース

このカスタムカテゴリーにおける上位ウェブサイトとデバイス分布は、以下のようになっています。トラフィックでは、トップ3がクラウドサイン(cloudsign.jp)、GMOサイン(gmosign.com)、そしてAI契約審査プラットフォーム(legalforce-cloud.com)。またハンコ文化の担い手であったシヤチハタのシヤチハタクラウド(dstmp.shachihata.co.jp)が4番手につけ、ContractS CLM(contracts.co.jp)が5番手です。電子契約といえば、グローバルに事業を展開するDocuSignが世界シェアNo.1といわれていますが、日本ではサイトのトラフィックで見る限り上位サイトから大きく離されて7位に位置しています。

また、デバイス分布は3年間トータルで見るとデスクトップが62.4%のシェアですが、上のトラフィック推移を見ていただけると分かる通り、年々モバイルデバイスのシェアが増えており、2022年に入るとデスクトップのシェアが60%を切る月も出てきています。リモートワークの定着が進み、モバイル経由でのサイトへのアクセスあるいはサービス利用が定着してきていると見ることができます。

主要電子契約サービス14サイトのカスタムカテゴリの上位ウェブサイトとデバイス分布
※シ ミラーウェブ「業界のトレンド」 - 主要電子契約サービス14サイトのカスタムカテゴリの上位ウェブサイトとデバイス分布(2019年7月〜2022年7月、デスクトップ+モバイル) データソース

各サービス事業者のトラフィックトレンド

3年間で業界全体のトラフィックが急速に拡大していることは確認できましたが、もう少し各サービス事業者ごとの動向を深堀りしてみましょう。

そこで各サイトの過去3年間(7月単月)の各社サイトのトラフィックの動きを、業界全体のトラフィックと比較しながら見ていきます。下の表が各月の訪問数と昨対比をまとめたものです。

3年の間トラフィックトップを走るクラウドサインは堅調な成長を見せていますが、成長率自体は業界全体の成長率を下回っています。一方、2番手のGMOサイン(2021年2月にGMO電子印鑑Agreeから名称を変更し、ドメインをgmosign.comに変更)は、業界成長率を大きく上回って成長し、クラウドサインを急追していることがわかります。3番手のAI契約審査プラットフォームもまた、業界の成長率を上回るペースでトラフィックを拡大しています。

4番手以下では、ハンコ文化の担い手だったシヤチハタが2020年11月から提供を開始したシャチハタクラウドやContractS CLMのほか、freeeのfreeeサイン(ninja-sign.com)、世界シェアNo.1のDocuSign(docusign.jp)、Hubble(hubble-docs.com)の各サービスがこの3年間で業界成長を上回る成長率を見せています。世界的にはリーダーといえるDocuSignが日本では5番手以下にとどまっているのは、日本の法人の9割強を占める中小企業にとって、海外企業との契約業務に適したDocuSignは、オーバスペックで選択肢に入りにくいのかもしれません。

トラフィック下位グループには2021年に入ってサービス提供を開始した事業者が並んでいます。これら事業者は、先行する競合と比較するとトラフィックを大きく伸ばすまでには至っていません。ただ、電子契約サービスへのニーズは引き続き継続すると思われるため、今後シェアを拡大していく可能性は当然あると思われます。

サイト別のトラフィックシェア推移(デスクトップ+モバイル)

 

2019年7月

2020年7月

2021年7月

2022年7月

訪問数

訪問数

昨対比

訪問数

昨対比

訪問数

昨対比

カスタムカテゴリ全体

249,052

888,792

357%

2.084M

234%

2.506M

120%

cloudsign.jp

204,411

487,085

238%

826,635

170%

973,513

118%

gmosign.com

n/a

n/a

n/a

219,576

n/a

621,105

283%

gmo-agree.com
※gmosign.com(上)に変更

14,897

136,973

919%

192,302

140%

< 5,000

2%

legalforce-cloud.com

< 5,000

26,689

534%

222,777

835%

294,664

132%

dstmp.shachihata.co.jp

12,213

129,217

1058%

220,216

170%

235,829

107%

contracts.co.jp

n/a

n/a

n/a

n/a

n/a

116,570

n/a

holmescloud.com
※contracts.co.jp(上)に変更

11,734

28,260

241%

114,481

405%

< 5,000

4%

ninja-sign.com

< 5,000

34,534

690%

77,348

223%

90,709

117%

docusign.jp

< 5,000

34,412

688%

91,542

266%

86,522

95%

hubble-docs.com

< 5,000

< 5,000

n/a

27,561

551%

50,780

184%

ai-con-pro.com

n/a

6,058

n/a

28,295

467%

11,789

42%

es.vector.co.jp

n/a

n/a

n/a

36,574

n/a

11,967

33%

e-signing.jp

n/a

n/a

n/a

22,122

n/a

< 5,000

23%

lawgue.com

< 5,000

< 5,000

n/a

< 5,000

n/a

7,070

141%

try.signtime.jp

n/a

n/a

n/a

< 5,000

n/a

< 5,000

n/a

le-techs.com

< 5,000

< 5,000

n/a

< 5,000

n/a

< 5,000

n/a

マーケティングチャネルの動向

業界全体のマーケティングチャネル別トラフィックシェア

業界についての理解を深めるために、マーケティングチャネル別のトラフィックから、この業界における集客構造を見ておきましょう。下のチャートがカスタムカテゴリの直近1年間(2021年8月-2022年7月)のチャネル別トラフィックシェアです。対象デバイスはデスクトップのみとなります。

最もトラフィック依存度が高いチャネルはダイレクト(ブックマークやURL直接入力など)で55.13%のトラフィックシェア、それに次ぐのがオーガニック検索で37.53%となっています。ダイレクトトラフィックは実際のサービス利用やサービスに関心の高いリピート訪問者からのアクセスです。トラフィック上位3サイト(cloudsign.jp、gmosign.com、legalforce-cloud.com)は、マーケティングサイトと同じドメイン配下でユーザー向けサービスを提供しており、そのことがダイレクトのトラフィックシェアを高く押し上げていると考えられます。新規の顧客獲得という観点では、オーガニック検索への依存度が非常に高く、有料検索やアドネットワークへの投資は限定的であることがわかります。

カスタムカテゴリのマーケティングチャネル別トラフィックシェア
※シミラーウェブ「業界のマーケティングチャネル」 - カスタムカテゴリのマーケティングチャネル別トラフィックシェア(2021年7月〜2022年6月、デスクトップのみ) データソース

トラフィック上位サイトのチャネル別トラフィック

次に、トラフィック上位5サイトのマーケティングチャネルを比較してみましょう。期間は1年間(2021年8月〜2022年7月)、デスクトップとモバイルトラフィックの合算です。 業界平均からだけでは見えてこない、上位各社の集客戦略に違いはあるのでしょうか。

最初のチャートはチャネル別の総訪問数です。まずダイレクトチャネルですが、クラウドサインが圧倒的なトラフィックを獲得しています。2番手のGMOサイン、3番手のAI契約審査プラットフォームと比較しても3倍以上のトラフィックで、契約ユーザー数という点で大きくリードしていることを示唆しています。また、シヤチハタクラウドとContractS CLMのダイレクトトラフィックが少ないのは、利用者向けのサイトを別のドメインで運用しており、サービス利用に伴うアクセスが含まれていないためです。

一方、検索トラフィックの数字を見ると、GMOサインが最も多くのトラフィックを獲得し、クラウドサインをリードしています。またシヤチハタクラウドがクラウドサインに迫る検索トラフィックを獲得しているのは、印鑑やハンコなどの検索キーワードからのトラフィックが多いことが影響していると思われます。いずれにしても、検索トラフィックに関しては各サイトが非常に接近した訪問数を獲得しており、圧倒的なリーダーが存在しない非常に競争的な環境にあることがわかります。

主要5サイトのマーケティングチャネル別総訪問数
※シミラーウェブ「マーケティングチャネル」 - 主要5サイトのマーケティングチャネル別総訪問数(2021年8月〜2022年7月、デスクトップ+モバイル) データソース

次にチャネル別のトラフィックシェアのチャートです。これを見ると各サイトの特性がより鮮明にわかります。まず、マーケティングサイトとサービスサイトを同じドメインで提供している上位3サイトに関しては、ダイレクトチャネルのトラフィックシェアが大きい傾向にありますが、中でもクラウドサインは66.56%と圧倒的に多く、一方、GMOクラウドは36.8%で、検索のトラフィックシェアのほうが多いことから、両社の契約ユーザー数に差があることが推測されます。

マーケティングチャネルとは異なるドメインでサービスサイトを運営している2つのサイトに関しては、検索トラフィックのシェアが圧倒的に多く、シヤチハタクラウドは76.75%、ContractS CLMは72.06%と検索チャネルに依存したトラフィック構造となっています。

そのほかの特徴として、AI契約審査プラットフォームはこの5サイトの中でリファラルからのトラフィックシェアが16.59%と際立って高いことが上げられます。検索に加えてリファラルからのトラフィック獲得を重視して取り組んでいることが推測されます。もちろん検索から多くのトラフィックを獲得できてないため、相対的にリファラルのトラフィックシェアが高くなっているという見方もできます。

主要5サイトのマーケティングチャネル別トラフィックシェア
※シミラーウェブ「マーケティングチャネル」 - 主要5サイトのマーケティングチャネル別トラフィックシェア(2021年8月〜2022年7月、デスクトップ+モバイル) データソース

検索トラフィックのリーダー

このセクションの最後に、最も重要な検索チャネルで最も多くのトラフィック獲得しているサイトはどこかを見ておきます。シミラーウェブの「獲得チャネル別上位サイト」の機能を使うことで、直近1ヶ月におけるデスクトップでの検索トラフィックのランキング情報を取得することができます。オーガニック検索をフィルタリングした結果が下の画面です。

これを見ると、全体のトラフィックでは7番手だったDocuSignがトップ5にランクインしています。やはり、グローバルブランドとして非常に認知度が高く、検索における競争力は高いことがわかります。

カスタムカテゴリにおける「検索リーダー」上位10サイト
※シミラーウェブ「獲得チャネル別上位サイト」 - カスタムカテゴリにおける「検索リーダー」上位10サイト(2022年7月、オーガニック検索、デスクトップのみ) データソース

検索キーワードの動向

ここからは最も重要な新規顧客との接点であるオーガニック検索に焦点を当て、検索トラフィック上位5サイトを比較モードで並べて、5サイトがどのようなキーワードからトラフィックを獲得しているのか、その特徴を明らかにします。データ取得期間は直近の1年(2021年8 月〜2022年7月)、対象デバイスは6割前後のシェアをもつデスクトップとします。

ブランドキーワードからのトラフィック

まず、オーガニック検索トラフィックの中でブランドキーワードがどの程度含まれているのか見てみると、下の表の通りの結果となりました。すべての検索キーワードを各サービスのブランド名を含むキーワードでフィルタリングすることで、各社のブランドキーワードからの訪問数と5サイトの全トラフィックに対するトラフィックシェアを導き出すことができます。

クラウドサインが圧倒的に多くのブランドトラフィック(年間で85万アクセス)を獲得しており、それに次ぐのがDocuSignで23万アクセスです。グローバルプレイヤーのDocuSignの認知度が高いのはある程度予想していましたが、クラウドサインがここまで認知されているのは、テレビCMなど積極的な露出が影響しているのかもしれません。また、GMOサインとシヤチハタクラウドに関しては、それぞれ著名インターネット企業のGMOと印鑑で有名なシヤチハタという企業ブランドが高いブランドトラフィックの背景にあると思われます。

その点、Contracts CLMはブランドとしては弱く、ブランドトラフィックは年間でわずか3万弱なっています。同社にとっては非ブランドキーワードでいかに多くのトラフィックを獲得できるかが重要で、検索エンジン対策がサービスを広げていく上での大きなカギを握っています。

ドメイン

ブランド名

合計訪問数

シェア

cloudsign.jp

クラウドサイン / cloudsign

850,409

13%

gmosign.com

GMO / GMOサイン

149,486

2%

dstmp.shachihata.co.jp

シヤチハタ / シヤチハタクラウド

112,597

2%

contracts.co.jp

Contracts CLM

26,189

0.41%

docusign.jp

ドキュサイン / docusign

238,996

4%

ブランド指名のトラフィックシェアは合計21%で、残りの79%は非ブランドキーワードからのトラフィックとなります。どの事業者も、ブランド認知度に関係なく、検索トラフィックを伸ばせる機会があることを示唆しています。

上位の非ブランドキーワードの傾向や特徴

次に、非ブランドキーワードにはどのような傾向や特徴があるのかを、検索トラフィック上位45位までの非ブランドキーワードリストに基づいて確認してみます。下記がピックアップした45ワードと獲得トラフィックのトラフィックシェアをまとめたものです。

これらワードを分類すると、

【分類1】契約の電子化に関する情報を探している(合計トラフィックシェア:20.16%)
【分類2】契約関連の情報を探している(同19.75%)
【分類3】電子帳簿保存法に関する情報を探している(同1.31%)
【分類4】サービスへのログイン情報を探している(同0.63%)

以上の4つに分けることができそうです。

主要5サイトの検索キーワードフレーズトップ45

※シミラーウェブ「キーワードフレーズ」 - 主要5サイトの検索キーワードフレーズトップ45(2021年8月〜2022年7月、デスクトップのみ) データソース

【分類1】契約の電子化に関する情報を探している(合計トラフィックシェア:20.16%)

分類1は契約の電子化に関する情報を探していることを示唆するキーワードで、トラフィックシェアは20.16%です。「電子印鑑」「電子契約」「電子署名」などのダイレクトに電子契約関連サービスに関する情報を求めるキーワードもあれば、エクセルで電子印鑑をつくる方法について調べていると思われる「電子印鑑 エクセル」「エクセル 電子印」といったキーワードもあります。また、「フリー」「無料ソフト」という言葉を組み合わせたキーワードも多く、価格に対する関心が非常に高いことがわかります。

分類1のキーワードで検索しているユーザーは、電子契約サービスの導入に対するニーズが高いと思われるため、各サービス事業者は検索エンジン対策をしっかり行いトラフィックを確実に獲得していくことが求められます。

「無料」「フリー」を含むキーワード
※シミラーウェブ「キーワード」 - 「無料」「フリー」を含むキーワード(2021年8月〜2022年7月、 デスクトップのみ) データソース

【分類2】契約関連の情報を探している(同19.75%)

分類2は、「契約書」や「収入印紙」「請求書」など、契約に関連する情報を探していることを示唆するキーワードグループで、トラフィックシェアは19.75%です。企業における契約業務は非常に煩雑かつ専門的な知識が求められる領域ですが、すべての担当者が十分な実務上の知識を有しているわけではありません。そのために、何らかの形で契約業務に関わっているユーザーが検索エンジンで検索して情報を調べる過程で、一部の検索ユーザーが電子契約サービスのサイトにたどり着いているわけです。

この領域も、電子契約サービス事業者にとってのターゲットユーザーです。領域1の電子契約書関連キーワードと領域2の契約関連キーワードの検索ボリュームを比較してみると、以下の通り、契約書関連の検索ボリュームが、電子契約関連の約2.5倍もあります。こうしたデータを見ると、契約関連のコンテンツを用意してユーザーとのコンタクトポイントをつくっていくことも非常に重要です。

契約書関連キーワードグループと電子契約関連キーワードグループの検索ボリューム比較
※シミラーウェブ「キーワード比較」 - 契約書関連キーワードグループと電子契約関連キーワードグループの検索ボリューム比較(2021年8月〜2022年7月、 デスクトップ+モバイル) データソース

【分類3】電子帳簿保存法に関する情報を探している(同1.31%)

法改正や制度変更は企業にとっては大きな負担となり得ることから、必ず検索キーワードの上位に入ってきます。上位45位の中では、「電子帳簿保存法」が該当し、トラフィックシェアは合計で1.31%ありました。

電子帳簿保存法は契約書類などの電子保存を認めた法律で、電子契約を導入する際には、そこで定められた保存要件を満たす必要があります。また、法改正が行われた場合、都度対応が求められます。ユーザーが電子契約サービスを選択する場合にチェックするポイントでもあることから、サービス事業者は関連するコンテンツを提供することが求められます。またその結果として、検索トラフィックを獲得することもつながります。

「電子帳簿保存法」を含むキーワードを見ると、下記に示した通り「改正」「2022」「契約書」「電子取引」「タイムスタンプ」「要点」などのキーワードとの組み合わせが多く見られますので、コンテンツを作成する場合には、これらを含めることをお薦めします。

「電子帳簿保存法」を含むキーワード
※シミラーウェブ「キーワード」 - 「電子帳簿保存法」を含むキーワード(2021年8月〜2022年7月、 デスクトップのみ) データソース

【分類4】サービスへのログイン情報を探している(同0.63%)

4つめの分類は17位にランクインした「ログイン」というキーワードで、トラフィックシェアは0.63%です。具体的なサービス名との組み合わせで検索されています。

契約ユーザーがログインページを探しているケースのほか、関連するサービス(例えばセキュリティなど)のログイン情報を探しているケースやシステム上の問題からログインできず、検索で情報を探しているケースも含まれています。

ログインに関わる情報やシステム障害などに関する情報を、わかりやすい形で提供することが、これら情報を検索しているユーザーをしっかりサポートしていくことにつながります。

どのプレーヤーにも検索トラフィックを伸ばせる可能性があるということもわかります。

「ログイン」を含むキーワード
※シミラーウェブ「キーワード」 - 「ログイン」を含むキーワード(2021年8月〜2022年7月、 デスクトップのみ) データソース

トラフィック獲得の新たな機会

「電子契約」や「電子署名」を含むキーワード

前セクションの検索キーワードの動向を踏まえた上で、サービス事業者が注目すべき検索キーワードをまとめると、やはり最も契約電子化へのニーズが高いと思われる【分類1】に力を入れるべきでしょう。電子契約関連キーワードのキーワードグループ(100キーワード)に対するオーガニック検索トラフィックのランキングを、直近(2022年1-7月)の半年と昨年(2021年1-7月)の半年で比較してみると、下記画像のように大きく変動しています。ユーザーニーズに即したコンテンツ提供を徹底することで、検索結果ページでのランキングのパフォーマンスを上げる余地がどの事業者にもあることがわかります。

「電子契約」や「電子署名」を含むキーワード

では、どのキーワードをターゲットにすべきかですが、電子契約や電子署名のシングルワードはキーワード難易度が高いため、「電子契約とは」「電子契約 仕組み」など比較的キーワード難易度が低い複数ワードの組み合わせキーワードでランクを上げることを検討するのが適切です。下記は電子契約および電子署名を含むキーワードのトラフィックランキング上位30ですが、例えばこの中からキーワード難易度が低いものを狙います。

ターゲット

「電子契約」に関する他のキーワード

「電子契約」の言い換えとして「オンライン契約」や「デジタル契約」などがありますが、これらの言い換えキーワードに着目してコンテンツを作成し、検索結果ランキングの上位を狙うというアプローチも考えられます。

例えば「デジタル」を含む検索キーワードをピックアップすると下記のようになります。デジタル印鑑やデジタル署名など、ある程度のトラフィックが期待できそうですが、キーワード難易度はそれほど高くありません。これはあくまでも一例ですが、メインのキーワードの周辺である程度のトラフィックが獲得できそうなキーワードを探ってみることは、検索エンジン対策において重要です。

「電子契約」に関する他のキーワード

契約書に関連するコンテンツ

「前セクションでの分析から、【分類2】の契約書関連の情報を探している検索ボリュームは非常に多いことがわかりました。この分類にフォーカスしてトラフィックを拡大する可能性も検討したいところです。上位各社もこれに対応して、下記のようなコンテンツを提供しています。

シヤチハタクラウドは、電子印鑑にフォーカスした内容となっていますが、その他4社は契約書の実務に関するノウハウやチップスを提供し、非常に多くのアクセスを獲得しています。検索トラフィック拡大を狙うのであれば、最も大きなトラフィックが獲得できる可能性を求めて、この分野でのコンテンツ提供を進めるべきでしょうか。

ドメイン

コンテンツタイトル

合計訪問数

主要なキーワード

cloudsign.jp/media/

サインのリ・デザイン
- 契約を再発明するメディア

386,665

契約書、印紙、反社チェック、注文書 注文請書、電子帳簿保存法など

gmosign.com/media/

日本の脱印鑑を応援するブログ
ハンコ脱出作戦

1,047,358

契約書、印紙、押印、捺印、業務委託契約書、注文書など

dstmp.shachihata.co.jp/column/

コラム ※タイトルなし

1,034,326

電子印鑑、捺印と押印の違い、電子印など

contracts.co.jp/useful/

ノウハウ ※タイトルなし

215,925

バックデート、電子帳簿保存法、契約書 割り印 場所、契約書 印鑑など

docusign.jp/blog/

Blog ※タイトルなし

212,152

電子帳簿保存法 改正 2022、押印 捺印の違い、手形廃止、賃貸住宅管理業法など

まとめ

今回は、電子契約サービスの主要なプレーヤーのトラフィックを、マーケティングチャネルと検索キーワードを中心に多面的に分析しました。グローバルではDocuSignが圧倒的に強さを発揮していますが、日本のマーケットでは、日本初のクラウドサインやGMOサインが強く、これまで日本のハンコ文化を支えてきたシヤチハタが、自社の電子印鑑ソリューションで大きく躍進していることがわかりました。

新規顧客の獲得という意味では、オーガニック検索が鍵を握っており、どこか1社が圧倒的に強いのではなく、非常に激しいトラフィック獲得競争を繰り広げています。検索エンジン対策の対象としては、電子契約に関わるキーワード群と契約関連のノウハウに関わるキーワード群が主なターゲットで、各社類似したコンテンツを展開してます。下位の事業者にとっても、検索トラフィックを大きく伸ばす余地が十分ありそうです。

リードプラス株式会社では、Webのトラフィック、キーワードなどのデータを様々なテクノロジーを活用し、広告運用代行のご提案を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

※本記事はマーケットインテリジェンスツール「SimilarWeb(シミラーウェブ)」のデータを多く引用しております。SimilarWebはパネルデータを基にした統計・推計のデータであることを理解しており、傾向やトレンドを探る目的で利用しています。本記事および記事内に含まれるデータ、見解は特定の第三者を評価するものではございません。

Web集客の種類5選と使い分けの原則