ベニスアップデートとは

ベニスアップデートとは、ユーザーが特定の語句を検索したとき、位置情報に基づいて検索結果を調整する働きです。たとえば、ユーザーが「病院」という単語を検索した場合、通常であれば病院という言葉の意味や、「病院」という文字がつく施設などの名前が検索結果として出てくるだけです。しかし、ベニスアップデートが機能した場合、ユーザーが現在いる位置周辺にある病院の地図などが表示され、ユーザーが移動することによって検索結果に上がってくる病院も変わります。この機能には位置情報が重要で、頻繁に住所を聞かれる施設や店舗などはベニスアップデートの対象となる傾向が強くなっています。

ベニスアップデートは、SEOの世界でも非常に注目されているのは、ベニスアップデートが働き続けている限り、地域性の高い施設や店舗は検索上位に登場する可能性が高まるという理由からです。こうした特徴がはっきりするのは、特産品や名物に関する検索をしたときです。「うどん屋さん」と検索したとき、多くの地域ではそれほど影響がありませんが、香川県などのうどんが名物の都道府県では、ベニスアップデートによって表示される店舗数が多くなります。自分の店が上位に出てくる可能性もある一方で、競合他店に埋もれてしまう恐れもあるので、この機能の性質を見越した対策が必要です。

ベニスアップデート対策として、「地域性を強くアピールすること」が挙げられます。住所やアクセス方法をコンテンツ内に記載するのはもちろんのこと、地域との関連を印象づける記述も増やすことで地域性を強めることができます。店舗名の前に市町村の名前を冠するなどのテクニックも効果的です。ベニスアップデートのアルゴリズムは地域性の濃さに反応するため、地元に関係ある記述が多くなるほど、上位に登場しやすくなります。

なお、検索を行う地域によってベニスアップデートの効果は変わります。自社サイトのSEO対策を試したいなら、ターゲット層が検索する地域でどのようにベニスアップデートが働くのかを把握しなくてはなりません。

ベニスアップデートとよく似た概念として「ビジョンアップデート」が挙げられます。ビジョンアップデートは特定地域にある店舗情報や距離のランキングなどを確かめられる機能です。また、ビジョンアップデートは略称や愛称で検索しても、正式名称と同じ結果をチェックできます。ただし、ベニスアップデートとはアルゴリズムが異なるため、SEO対策を行うときはベニスアップデートとビジョンアップデートの違いに気をつけましょう。