マーケティング・インテリジェンス

マーケティング・インテリジェンスは、日本語に訳すと「市場戦略情報」であり、顧客や市場を理解するための情報収集や分析手法を体系化したプロセスを指す。平たく言えば、顧客のニーズや嗜好の変化、動向などを観察し、市場の将来像や環境変化を察知、それに対していち早く対策を行うこと。
マーケティング・インテリジェンスは、古くは1970年代の論文にも登場しており、目新しい考え方ではない。

しかし当時は利用できるデータや情報が十分ではなかったことから、一般に浸透するには至らなかった。それが近年になって注目されているのは、情報化社会が進んでデータがあふれる時代になった反面、逆にその膨大なデータを処理しきれず、的確な判断を下すことが難しくなったことが背景にある。そのためマーケティング・インテリジェンスでは、雑多な情報をただ並べるのではなく、そこから必要な情報をうまく抽出するプロセスをシステム化し、その結果を実際の意識決定につなげることに主眼が置かれる。