セマンティック検索とは

セマンティック検索とは、検索エンジンがユーザーの検索意図を正しく把握し、ユーザーが求める検索結果を表示する技術です。
ユーザー自身が知りたい事柄を検索する際、従来の検索方式では人によってキーワードの選定方法が変わり、異なるキーワードで検索をかけることが一般的でした。また、記憶が曖昧な状態で検索するケースでは、全ユーザーが同一のキーワードで検索することはありません。その他、同義語や類義語を使って検索することも多く、より複雑な判断を実行できる検索機能が求められることになります。

一方のセマンティック検索では検索エンジンがユーザーの意図を組み取り、検索結果を導き出します。具体的には検索キーワードの背景や前後の文脈なども含めた言葉として捉え、そこから検索結果を広げていくことを可能にしました。例えば「新宿 映画」と検索すると表示される上映中の映画タイトルと画像を「リッチスニペット」(スニペットとは断片の意味)と呼びます。これは検索キーワード結果に追加されたユーザーが求める可能性が高い情報のことで、正確には検索結果に表示されるページ概要をさしています。

飲食店を検索すると、該当URLの下部に評価や価格帯が表示される場合がありますが、これも飲食店の付加情報としてユーザーが知りたい大切なものであり、リッチスニペットの一つです。また、「アメリカ合衆国」と検索すると、ページの右側にアメリカに関する基本情報(首都や人口など)が表示されますが、これは「ナレッジグラフ」と言います。また、「アンサーボックス」は、入力したキーワードの検索結果に加えて、キーワードに対する答えを表示する機能です。例えば、祝日の日がいつなのかを知りたいとき、「○○の日はいつ」と入力すると、検索結果の最上部に質問の回答が大きく表示されます。

私達が普段キーワード検索をする中で、最も多く目にする強調表現の一つが「類義語をハイライト表示(太字で表示)する」という機能ですが、これもセマンティック検索の一種です。入力したキーワードと類義語がどちらも太字で表示され、ユーザーの情報の取捨選択を助けます。例えば「上野 美術館」と検索すると「博物館」や「美術展」のサイトを同時に表示します。また、「プランターで野菜を育てる」と検索すると、「野菜を栽培する」という関連した表現のサイトを上位に表示します。そして、「家族 贈り物」と検索すると「プレゼント」の内容を取り扱うサイトも表示されるなどの事例が挙げられます。

このようにセマンティック検索は、より高度な検索エンジンを作りあげるために必要不可欠な技術です。現在は発展途上にありますが、セマンティック検索に対応していくためには検索キーワードとサジェストワードの語句どうしの関連性にまで踏み込んでコンテンツを作成することが重要になります。