キュレーションメディアとは

キュレーションメディアとは、Web上で公開されている情報の中から、特定のテーマの情報や記事をまとめて公開するメディアのことを言います。
この名前は、博物館や美術館の学芸員を意味する「キュレーター」に由来しています。学芸員が、展示会などを企画することを「キュレーション」と言うことから、あらゆる情報の中から価値ある情報を選び公開・共有することを、IT業界で「キュレーション」と呼んでいるのです。

インターネットで発信されている情報は莫大な数であるため、自分が求める情報を探すことが困難な場合もあります。ネットユーザーはキュレーションメディアを使用することで、短時間で情報を効率良く得ることが可能になります。

キュレーションメディアは、プログラムがキュレーションを行うアルゴリズム型、人間がキュレーションを行う人力型、一般ユーザーが投稿するユーザー投稿型と、キュレーションの方法によって3種類に分けることができます。アルゴリズム型はニュースサイトに多く見られるキュレーションメディアで、サイトが記事を選ぶ独自ルールはそれぞれ異なり、サイトの特徴にも顕著に表れます。一方で人力型は、専門的なジャンルに多く見られ、キュレーターの意向が大きく影響します。同じ人の力を使うタイプでも、ユーザー投稿型は、記事の内容に関わる知識を有したユーザーばかりが情報をまとめているわけではないため、コンテンツの品質が一定にならないというデメリットがあります。

昨今、キュレーションメディアが急増している理由として、安いコストで立ち上げられる点と、新規で記事を作るよりもアクセス数を簡単に伸ばすことが可能な点があげられます。ところが、大量の記事をスピード重視で更新し続けた結果、事実かどうかも定かでない情報が流れてしまうといったケースが頻発するようになりました。もし、事実でない情報が載っているキュレーションメディアが出回ってしまうと、正確な情報を検索したいときに検索の妨げになります。実際に、これまでキュレーションメディアとして運用されてきたサイトが、医療関連で誤った情報を発信して閉鎖に追い込まれたという事例があります。そのようなサイトが検索上位に表示された場合には、誤った情報が世に広まることも考えられます。ユーザーは上位にあるサイトなら信頼できると感じ、間違った情報を信じてしまう可能性が高いためです。
このことを防ぐために、記事を発信する側は情報が確かなものかどうかを念入りに確認する必要があります。また、ユーザー側も、キュレーションメディアの情報をすぐに鵜吞みにするのではなく、情報の正確さや信頼性を見極めることが求められます。
加えて問題視されるのが著作権の侵害です。文章の無断転載や画像の無断使用など、記事を掲載する際は、違法行為をしていないかにも注意を向けましょう。