SEO 10大ニュース 2016年を振り返る

2016年も残す所あと僅かになりました。

インバウンドマーケティングを実施する上で避けて通れないSEO。リードプラスもインバウンドマーケティングサービスを提供する企業として、このSEOの情報は常に最新の注意を払い検証しています。

そのような中で本年、社内で話題になったSEOに関する10大ニュースを作成してみました。
(すみません。社内です。しかも築地で寿司ランチ食べながらとかも入ってます)

セレクトは完全に独断と偏見に基づくものなので「あれも大切なのではないか?」など、ご自身でもいろいろと振り返ってみてください!

SEO 10大ニュース

10位:Googleウェブマスター向けガイドラインの大幅改定が実施される。

Googleは公式に「ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)」を提供しています。

その内容は「情報が豊富で便利なサイトを作成する」「<title> タグの要素、 alt 属性を分かりやすくかつ正確に記述」「重要な情報は画像ではなくテキストを使用」などです。

これを忠実に守っていれば必ず検索順位が上がるものではありませんが、基本中の基本という意味で教科書的な存在です。

SSL対応やモバイルフレンドリーなど、以前から話題になっている情報も当然加えられています。

「スクリーンリーダーによるユーザビリティをテスト」というようにアクセシビリティの重要性についても説かれています。SEOとしてでなく、誰もが見やすいサイトを提供できるように対応するべきという意味で重要ですね。

出典:ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)

9位:大規模イベントの開催が無くなった。

例年SEOについては大規模イベントが開催されてきましたが、2016年はそれが見当たりませんでした。

実は2015年に某SEOイベントで「今のSEOはなかなか難しく、こうした規模の大きなイベントには区切りを付けたい」という告知がなされました。私の知る限りでは同規模のものは開催されませんでした。

実際にイベントが行われてもHow To的な話は少ないので「面白かったけど、具体的にどう対応すれば良いのかが分からないね」という声も聞こえてきました。

このように、もはや一斉にSEO対策のレクチャーをして検索順位を上げていくというのは不可能になったということなのでしょう。

大規模イベントは無い代わりに小規模なものは各地で開催されています。またGoogleも公式の情報発信やイベント開催(あるいは登壇)を積極的に行っていますので、そうしたものを参考に自分たちのサイトに合わせた対策を練っていくと良いでしょう。

8位:検索エンジンのシェア

検索エンジンのシェアなんて見なくてもGoogleがダントツでしょ」という声が聞こえて来そうです。

実際GoogleYahoo!かという論争は過去の話で、Yahoo! JapanGoogleの検索エンジンを採用しています。スマホの普及で検索サイトのシェアもGoogle優位が明らかになっています。

とはいえ、まだ検索サイトとしてYahoo!も一定数使われているのは事実です。

同じ検索エンジンを使っているため、自然検索の順位は基本的にはGoogleと同じになりますが、検索結果の画面の見え方は大きく違ってきます。

SEOを意識したサイト運営をする際は、このあたりも気にするように習慣づけておくようにしましょう。

またグローバルな活動をしている企業、特に中国が重要な場合には「百度(baidu)」は外せません。中国でメジャーな検索エンジンはパソコンでもスマホでも百度(baidu)です。

関連記事:検索結果の違いを検証!GoogleとYahoo!、パソコンとスマートフォン

7位:基本的な対策はほとんどのサイトが既に対応している

2016年にいくつかのジャンルのサイトを比較検証してみましたが、そこで得た結論は「検索結果1ページ目に出てくるサイトは、基本的な対応は行っている」というものでした。

関連記事:SEO対策を徹底検証!ベーシックな施策で検索順位はどうかわる?

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基本的な対応とは「titledescriptionを適切に付けている」「altが入っている」「見出しタグがきちんと使われている」などです。

titleさえ適切で各ページに設置しておけばそれなりの対策になる」と言われたのは遠い過去の話です。この程度の基本は完全にやっておかないとスタートラインにさえ立っていないと言っても良いかもしれません。

6位:Google Adwordが提供するキーワードプランナーに制限がかけられる

多くの人にとってネガティブなインパクトのあるニュースでした。

アクセス解析ツールで実際のサイト流入に使われたキーワードが取得できなくなっている今、SEOにもかなり有益なツールだったからです。

制限がかけられるのは毎月の広告額が少ない広告主のみ。またデータが大雑把なものになるという事で全く見られなくなる訳ではありません。

ただ冷静に考えるとアクセス解析でキーワードが取れなくなっても、予想したほど困りませんでした。Search Consoleがあるというのもありますし検索キーワードを推測する手段は他にいくつもあります。

Yahoo!のキーワードも完全に取れなくなってしまうと痛手かもしれませんが、ダメなものは仕方がありません。

これからは「MIERUCA」「GinzaMetrics」など新たなコンセプトのツールがSEOでさらに存在感を増すのかもしれません。

5位:AMP

Googleが中心になって進めるスマホでのページ表示を高速化するプロジェクトが「AMP」です。

実際にAMPを導入しているサイトは”爆速で表示される”と驚きの声が聞かれます。

またスマホの検索結果にはカルーセル表示、またAMPラベルも出現し、これに従っておくとGoogleはかなり良い感じに評価してくれそうです。

ただしニュースサイト以外で絶対に導入すべきか、というとまだそうでもない気がします。

またAMPではない対応方法で高速表示を実現させているサイトもあります。

このAMPの目的は「ページを高速で表示させユーザー体験を向上させる」です。SEOのために導入するとは若干違う視点のためこの順位としました。 

4位:ローカル検索の波が来ている

Googleの存在理由は、Webサイト(ページ)を検索するためというだけではありません。

ECのオムニチャネル化と同じく、リアル店舗、施設についても最適な検索結果、必要な情報をユーザーに提供しています。さらにそれを強化しています。

「ローカル検索」がそれで、地図、住所、電話番号、営業時間などの情報を検索結果ページに表示させています。

検索について押さえておかないといけないのが、GoogleWebサイトへ誘導をさせるのではなく、「検索結果画面でユーザーの知りたい情報が満たされるならそれで良い」と考えている点です。

地図を見てすぐそこに行ける。そのまま電話をかけて予約や問い合わせができれば無駄なクリックをせずに済みます。

ですからダイレクトに、検索結果ページに店舗の必要な情報が表示されるのです。

そして、このローカル検索結果(ローカルナレッジパネル)に混雑状況を示すグラフが出るようになりました。

検索画面でこうした情報が取得できればユーザーはいつそこへ行くべきかの判断材料として使えるため非常に有益です。

ローカル検索は業種により機能差はあるもののリアル店舗を持つビジネスに非常に役立ちます。

さらにGoogle マイビジネスから必要情報を入力する事はローカルSEO、またWebサイトのSEOにも良い影響を与えるというのが定説ですので、実店舗を持つ事業ではtitleタグなどと同じく、当然の取り組みと捉えましょう。

3位:検索手段はGoogleだけでなく、TwitterInstagramも多い

若者生態バラエティ「みんなのクラウド教室」という番組が行ったアンケート調査によると、GoogleYahoo!といった検索エンジンとTwitterInstagramで検索する割合が拮抗しているとのことです。

YahooGoogle検索なんてもう古い!?イマドキ若者はTwitterやInstagramで検索!ネットでは「らぶりつ」「ジードラ」「エゴサ」が流行!

出典:PRTIMES 2016/2/9 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000011944.html 

「情報収集はソーシャルメディアでしている」という意見も多く聞くようになりました。それらの人々は若者ではない層も含んでいます。

SEOほど長く重要な位置にあるWebマーケティングの手法はあまりなく、Googleほど普遍的な価値を提供し進化を続けているWebサービスはありませんが、ユーザー自体は新しい検索行動も始めているということでしょう。 

「検索エンジンは分からない事や正しい情報」「Twitterは速報や検索エンジンで見つからない情報」「Instagramはファッションなど特定ジャンルを中心にした画像検索」など、賢く使い分けているユーザー像が浮かんできます。

Webマーケティング戦略を練る際は、こうした多様な検索ユーザーの姿を想定する必要があるということでしょう。

2位:コンテンツマーケティングの光と影

光としてはコンテンツマーケティングをはじめとするコンテンツの重要性が広く認知される時代になっている事が挙げられます。

一方、影はキュレーションメディア(オウンドメディア)での、掲載コンテンツの信頼性の問題が浮き彫りになった事でしょう。

 

SEO対策のためにとにかく数を増やすだけの記事コンテンツというのは少なくなってきた印象でしたが、あまりにも質の悪いコンテンツがまかり通るというのは決して良いことではありません。

キュレーションやオウンドメディア、またコンテンツマーケティングに取り組む企業は、それぞれの責任できちんとした体制、ルール作りに取り組むべきでしょう。

情報の正確性は現段階においてGoogleのアルゴリズムでは判断仕切れません。真のユーザーは質の高い記事を求めていますので、そのニーズにしっかりと答えることがコンテンツマーケティングの本質であると肝に銘じておくべきなのです。

1位:MFI(モバイルファーストインデックス)

今年最大の話題、それはやはりMFIです。

GoogleがこれまでPC向けページをランキングの要因にしていたのをモバイル(スマホ)向けページをメインの評価対象にしていくという方針転換です。

2016年時点ではまだこうした取り組みに関するアナウンスがされただけです。正式な開始時期や詳細な内容は不明ですが、発表だけで大きなインパクトになっているのは間違いありません。

恐らく2017年はMFIによる順位変動やアルゴリズムの観察がメインになっていくでしょう。

また、マーケティングオートメーションツールを導入するB2B企業にとって、ナーチャリング手法の主要な位置を占めるEメールは、多くのユーザーがモバイルで見ることを想定する必要があります。もしモバイル対応していないサイトであれば早急に準備しておくべきでしょう。

振り返ると全てはユーザーエクスペリエンスのため 

ペンギンアップデートなど検索エンジンアルゴリズムの変更も多くありました。

これらをランキングから外した理由は

Googleは「ユーザーを中心」にして考えているからです。

つまりGoogleはユーザーを第一に考えた本質的なSEOさえ行っていれば基本的にはおかしな検索順位とはならないとリードプラスでは考えています。(MFIGoogleにとっても初めての取り組みなので予期しない順位変動発生するかもしれませんが)

2017年はそれらを注視しながらも、サイトの基本構造やコンテンツの質などUX(ユーザーエクスペリエンス)を第一に考えていくべきという方向性は変わりないでしょう。

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