オウンドメディア運営のポイント。記事の作り方をご紹介

 2017.05.10  LeadPlus

オウンドメディアを成功させるためには、記事製作が必要不可欠です。しかし、その記事製作の仕方に関しては多くの企業が試行錯誤していたり、おざなりになっていたりしています。

今回は、オウンドメディアを成功させるための記事製作のポイントに関してイベントレポートを交えながらご紹介します。

オウンドメディアは甘くない

2017年4月20日に、「Web担当者Forum ミーティング 2017 春」という恒例のイベントが行われました。その中で二つの注目オウンドメディアを運営するアソビュー株式会社の宮本武尊氏、革新的SEOツール「MIERUCA(ミエルカ)」を提供する「株式会社Faber Company」の月岡克博氏による、「”ユーザーと向き合う”オウンドメディアで月200万PVを実現したコツ」と題する興味深いセッションがありました。

資料非公開のセッションという事で詳しい内容まではレポートできませんが、オウンドメディアの立上げ、運営に関するいくつかの重要ポイントについて、私自身がオウンドメディアに携わりながら感じている事柄を交えた報告をしたいと思います。

現在の繁栄

このセッションで事例として紹介されたのは、次の二つのオウンドメディアになります。

  • レジャー・遊び・体験の予約サイト アソビュー

http://www.asoview.com/

  • アソビュートリップ

https://asoview-trip.com/

この二つのオウンドメディアを運営するのが、アソビュー株式会社です。このセッションのキャッチは、「オウンドメディアで月200万PVを実現」です。月間200万PVというのは大きなインパクトがありますから、成功のコツをぜひ聞かせてもらいたい、と多くの方が考えて参加していた事でしょう。

実際今回の事例となったアソビュートリップは「上野動物園」というワードで3位に表示されます。つまりそれだけSEOに強く、自然検索だけで数百万のPVを得ている、成功しているオウンドメディアになります。

これまでの変遷

しかしセッションが始まって私が最初に感じたのは、「やっぱりオウンドメディアは甘くない」というものでした。

「アソビュー」と「アソビュートリップ」の二つのオウンドメディアが現在の繁栄に至るまでを、3つの大きな括りに分けて紹介されました。

  1. 一点突破期
  2. 試行錯誤期
  3. 拡大、成長期

まさに今は3つ目の「拡大、成長期」にあたるわけですが、その前の2つの重要な期間があるのをしっかり押さえておく必要があります。

特に一つ目の「一点突破期」は、身につまされる思いで聞いていました。立ち上がるまでに時間がかかるので、今やっていることが正しいのかどうなのかなど、立ち上がるまでには常に余計な心配がつきまといます。

よくオウンドメディアは「考えたら即行動」と言います。それ自体は正しくもあるのですが、やっているとすぐに壁にぶつかります。

まずは「記事がすぐに消費されていく」という問題です。特にニュース系の記事だと、数日、数週間トラフィックが持てば、かなり良い方です(このセッションでは、「長くて1週間」という事でした)。

消費が早い記事を次々と出していかないといけないのですから、当然記事の生産コストはかかります。アソビューでも収益化するには月間〇〇本が必要、という試算が出て、皆青ざめたそうです。

また「これだったら同じコストでディスプレイ広告を出稿した方が効率的」という意見もあったそうです。

ここでポイントなのですが、最近は多くの場合で「オウンドメディア」「コンテンツマーケティング」と、マーケティング手法が決め打ちされる傾向があります。

これらを実施する場合には、記事生産コスト、運用の手間を考える必要があることを肝に命じる必要があるでしょう。

例えば10本の記事を投稿して、それが収益となって跳ね返ってくるかもしれないのは大抵の場合3か月から6ヶ月以上後です。B2Bなら良いかもしれませんが、B2Cの場合にはこの手間とコストを広告に費やした方が良いという判断も出てくるかもしれません。

「自社にとってオウンドメディアが最適な手法かどうか」は、計画時に必ず立ち止まって考えたいものです。

さてアソビューも現実的な問題が出始めた頃から「試行錯誤期」へと移っていくのですが、この時期は社内外のメンバーのモチベーションも低下し、非常に悪い雰囲気だったそうです。運営をしている人間が楽しくないのに、ユーザーが良いメディアと捉えるはずはありません。

多くのオウンドメディアがこの状態になると止める、あるいは放置状態になります。

私自身もそんなケースをいくつも見てきました。

この状態で顕著になってくるのが「検索エンジンだけを意識した記事の大量生産」です。

昨今問題になったメディアほど記事内容そのものには不備が無くても「質より量」「表面的なSEOだけを重視したライティング」という記事は、やはり魅力がありません。私自身もいくつかのメディアの編集方針が変わった際に問合せてみると「もともとのコンセプトには目をつぶって、検索上位に来る記事が欲しい」「とにかくPVを稼ぎたいと会社から言われた」、と回答された事がありました。

こうなってくると良質な記事を書こうとしていたライターのモチベーションは、一気に下がってしまします。メディア自体もここで迷走状態になり、空中分解してしまうケースが多く見られます。また当初設計していたペルソナなども崩れ去り、目的意識を失ったPV重視のメディアへと変貌していくわけです。

成功へのヒント

さてアソビューの場合はここで迷走状態に陥らず、右肩上がりの拡大成長期へと向かっていきます。その成功のヒントは、下記のような点です。

  • 1次情報を自分たちで取るように方針を転換。
  • ニュース系の記事とストック系の記事を分けて用意していく。
  • 第一に、ユーザーニーズを満たす記事にすることを心掛ける。

などです。基本といえば基本です。これに検索順位を日々チェックしてリライトするなど、テクニカルな内容も加わっていきます。

それでは次に、具体的にそうした記事コンテンツ作りの流れを紹介していきましょう。

記事の作り方

流れとポイント

この日のセッションでは、記事制作の流れについて次のような分け方での紹介がありました。

  • 検索意図の調査
  • 構成
  • 取材、調査、執筆
  • 校正
  • SEOチェック

インターネットの記事の質うんぬんというのが時おり話題に上がりますが、紙媒体の編集者、ライターがベストと言えないのは、やはりネット特有の1の項目があるからです。

オウンドメディアやコンテンツマーケティングは自然検索からの流入を基本にしていますので、「検索」との関りは外せません。もちろん検索とは、ユーザーニーズと同じ意味になるのを忘れてはいけません。

これを踏まえて2、3へと進んでいきます。

2は「検索意図を反映した構成」になります。さらにユーザーが興味関心を高め、読み進めてくれる構成にしておく必要があります。

3については、「取材、調査」と実際の「執筆」を分けた方が良いかもしれません。1次情報、オリジナル記事の重要性が言われている現在は、それぞれが非常にボリュームのある作業になります。

また4の校正は、以前このブログで紹介した「校閲」も兼ねておくとより質の高い記事になります。

関連記事:オウンドメディアの立ち上げ、運営で必要不可欠な「校正」と「校閲」について

そして公開後の5も、インターネットならではの検証です。ここでの結果が芳しくない場合は、記事にリライトを入れる必要があります。

発注担当の方へ

さて、多くの企業の場合「Web担当者≒オウンドメディア担当者」となっていると思います。実際の記事を製作する場合には、社内リソースを使う場合と社外に発注する場合があります。外部ライターへ発注する場合には、「記事の質が悪い」という感想がよく出るようです。実際にこのセッション中も、「企業担当者からそうした声を多く聞く」という話が出ました。

しかし、各企業は前項で挙げた1や2のような準備をして記事発注をしているでしょうか。あるいは1、2の対応から行ってもらうのに十分な料金を提示しているでしょうか。

コンテンツが重視され、ライターへの発注が増える過程で目立つようになったのが、「1文字〇円」という料金の提示です。

しかし前項で挙げたように、質の高い記事を書くためには執筆前にかなりの下準備をする必要があります。こうした準備がある事を理解していれば、「1文字〇円」という価格料金形態はナンセンスだと理解できるはずです。

あるいはそれ以前に、「どういった使い方をするのか」「どんなユーザーに向けた記事が必要なのか」を一切説明されず、ただ大きなテーマだけを提示されて記事を書くように依頼されるケースも多くあります。

Webデザインの場合は最低でもヒアリング→情報整理→制作中の質問や確認、といったフローがあります。説明なしでいきなりデザインを作ってもらう、というケースはまずないでしょう。実際にいくつかの有名プロダクションから、記事制作に関する発注側の問題を指摘する声は上がっています。記事制作についても必要情報の提示とコミュニケーション、さまざまな準備が必要な事をよく理解してもらいたいと、コンテンツ制作の立場からは切に願っています。

計画の重要性

さてアソビューのサイトがなぜ持ちこたえて現在の成功に至ったかについて、もう一つのポイントです。常に計画があった事を忘れてはいけません。最初の方でも書きましたが、オウンドメディアは素早く始める事が重要です。

ただし個人ブログのようにただ書き始めれば良いというのではなく、最低限の計画は必要です。初めに、大まかにでも次のものだけは決めておきましょう。

  • ペルソナ
  • シナリオ(カスタマージャーニー)
  • KPI
  • スケジュール

スケジュールにはオウンドメディアの継続の可否を決める、マイルストーンも入れておきます。KPIを決めておき、それぞれのポイントで数値に基づく客観的な判断ができるようにしておきます。

始めることが重要であるという観点で言えば、最初はペルソナやシナリオは精緻なものでなくても構いません。最低限のターゲットユーザー像、戦略と捉えてもらうと良いでしょう。

まとめ

オウンドメディアは始めることが重要です。しかし、なかなか思い通りに行かないというのが実際のところでしょう。やはりプロに任せられる部分は任せた方が良いのだと思います。そして私たちも基本に忠実にしっかりとお客様をサポートしていきたいと再認識させられたセッションでした。

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